リアルな布の質感を再現したスカートの3Dモデル
クライアント:文化服装学園様
テキストのデジタル化に向けた共同研究の一環として行われた、デジタルテキスト内での3Dモデル導入の試作事例です。文化服装学園様より、人物が着装した際に生まれる布のシワを再現したいというご相談をいただき、衣服のリアルな変形を3Dモデル上で再現する制作を担当しました。
研究・教育・展示など、デジタルテキストの新たな表現手法としての可能性を感じられる成果となりました。
「シワ」を3Dで再現する
衣服のシワは、着用者の体型や姿勢によって変化します。
本件では、布地が引っ張られることで生じる自然なシワを3D上で再現することを主な目的とし、質感や柄などのテクスチャ表現はあえて抑え、シワの演出そのものにフォーカスしました。
布地が身体のラインに沿って張る感覚や着用時のシワの流れを再現することに成功しました。布の質感を3Dでリアルに再現することは、非常に難易度の高い表現です。特に布は、形状や陰影が環境や動きによって変化するため、単純なモデリングだけでは表現できません。素材ごとの特性に応じたシミュレーションも必要になります。用途に応じて最適な表現手法を選定し、高い再現性を求めて制作をいたしました。
スカートの構造・表現上の工夫と配色の意図
パーツ構造を視覚的に理解しやすくするために、あえて目立つ色を配色して区分することで、学び手が、どのパーツがどのように重なっているのかを直感的に理解できるよう制作いたしました。色による構造の視覚化は、学習効果を高めるための工夫でもありました。
スカート部分では二重構造を再現していますが、こうした布の重なりや厚みの表現は3Dにおいて難易度が高い要素です。特にファスナー周辺では、布の重なりや縫い目、ステッチといった細部の立体的な表現が求められ、実物に近い自然な見え方を再現するには高度なモデリング技術が必要になります。何度も調整を重ねながら仕上げることで、リアルな質感と自然な見え方を実現することができました。