3DCGクリエイターは、ゲーム、映像、広告など幅広い分野で活躍できる人気の職業です。
しかし、医師や弁護士のように特定の国家資格が必要な職種ではないため、「資格は必要なのか?」と疑問に思う方も多いと思います。
結論から言えば、資格がなくても就業は可能ですが、体系的なスキル習得やキャリアアップを目指すうえで、資格取得は非常に有効です。
そこで本記事では、3DCGクリエイターに求められるスキルから、役立つ資格、試験の内容や勉強方法まで詳しく解説していきます。
・3DCGクリエイターに資格は必須かどうか
・3DCGクリエイターの仕事に求められる基本スキル
・3DCGクリエイターで役立つ資格・検定の種類
・CGクリエイター検定の試験概要
・CGクリエイター検定の効率的な学習方法
3DCGクリエイターに資格は必要?

結論から申し上げますと、3DCGクリエイターは医師や弁護士のように国家資格が求められる職業ではないため、資格は必要ありません。
そのため、CG制作会社やゲーム会社に就職し、業務を通じてスキルを磨き、実績を積めば、誰でも「CGクリエイター」と名乗ることが可能です。
しかし、専門的な知識や技術を体系的に学びたい場合や、スキルアップを目指す場合には、関連資格の取得が有効です。
資格取得は知識の整理やポートフォリオの充実にもつながるため、挑戦してみる価値は十分にあります。
3DCGクリエイターに求められる主なスキル
ここでは、CGクリエイターとして活躍するために欠かせないスキルを整理して紹介します。
1.協調性とコミュニケーション力
2.デッサン力と観察眼
3.制作ツールの活用スキル
4.英語での情報収集力
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.協調性とコミュニケーション力
CG制作は、工程ごとにさまざまな担当者や部門と協力しながら進めていく仕事です。
抽象的なビジュアル表現を、言葉で的確に伝え、関係者と意見をすり合わせて形にしていく力が求められます。
美しい映像を作るだけでなく、納期や予算といった制約の中で、チームと円滑にやり取りすることが重要です。
2.デッサン力と観察眼
CG表現を磨くためには、日常的に人や物を多角的に観察する習慣が欠かせません。
その観察結果を正確に描き起こすデッサン力も同様に大切です。
継続的な練習によって「見る力」と「描く力」を同時に鍛えることが、プロとしての基礎を固めます。
3.制作ツールの活用スキル
3DCGクリエイターは、Mayaや3ds Max、映像編集ソフトなど、CG制作では専門的なツールを駆使します。
これらの操作精度や理解度は作品の完成度に直結します。
デザインの基礎知識を押さえつつ、ツールの習熟度を常に高めていくことが必要です。
4.英語での情報収集力
CG業界では、日本語で得られない情報やノウハウが多く存在します。
海外のフォーラムやチュートリアルを活用するためにも、英語のドキュメントを抵抗なく読めるスキルが役立ちます。
さらに、海外の制作者と直接やり取りする場面もあるため、基本的な会話力があれば仕事の幅が広がります。
3DCGクリエイターにおすすめの資格・試験
ここでは、3DCGクリエイターにおすすめの資格や試験を詳しく紹介します。
1.協調性とコミュニケーション力
2.デッサン力と観察眼
3.制作ツールの活用スキル
4.英語での情報収集力
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.CGエンジニア検定

CGプログラマーやゲーム開発者、ソフトウェアエンジニアなど、開発寄りの職種を目指す人向けの試験です。
CG制作に必要なプログラミングやエンジニアリングの知識を評価します。
技術的要素が多く、ベーシック(基礎)とエキスパート(高度)の2レベルに分かれています。
2.CGクリエイター検定

映像やCG表現に関する知識と理解度を確認する試験で、デザイナーや映像クリエイター向けです。
初心者向けのベーシックと、上級者向けのエキスパートがあり、スキルレベルに合わせて受験できます。
3.Photoshopクリエイター能力認定試験

デザイン業務やCG制作で広く使われるPhotoshopの操作スキルを測る試験です。
直接CG技術を問うものではありませんが、画像編集や加工のスキルは制作現場で非常に重宝されます。
4.Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorの操作スキルを評価する試験で、ロゴやイラスト制作、ベクターデザインに強みを持てます。
Photoshopと併せて学ぶことで、より幅広い制作が可能になります。
5.色彩検定

色彩理論や配色の効果を学べる試験で、CGやデザイン全般の表現力向上に役立ちます。
直接CG技術を問うものではないものの、魅力的なビジュアル制作の基礎力を身につけられます。
3DCGクリエイター検定の試験概要
映像制作やゲーム開発、広告業界など、CG(コンピュータグラフィックス)の活用分野は年々広がっています。
こうした中で、自身のスキルや知識を客観的に証明できる資格として注目されているのが『CGクリエイター検定』です。
この検定は、初心者向けのベーシックと、より高度な技術や制作工程の理解を問うエキスパートの2つのレベルに分かれており、基礎から実践まで幅広く評価されます。
受験者はCGの表現技術だけでなく、制作現場で必要なワークフローや知的財産の知識も身につけられ、学習過程そのものがスキルアップにつながる点も魅力です。
出題範囲
3DCGクリエイター検定の出題範囲は、以下の通りです。
ベーシック
ベーシックレベルでは、CGの基本的な概念や表現方法を中心に出題されます。
・CGの基礎概念:コンピュータグラフィックスとは何か、その定義や役割
・表現の基本要素:色彩・構図・質感など、作品を魅力的に見せるための要素
・2次元CGと写真撮影:画像編集やレタッチ、カメラの基本操作や構図の知識
・3次元CGの制作工程:モデリングからレンダリングまでの流れ
・技術的な基礎知識:ハードウェア・ソフトウェアの仕組みやデータ管理方法
・知的財産権:著作権や商標権など、クリエイターとして必要な法的知識
色彩や構図といった表現の基礎、2次元画像編集や写真撮影に関する知識、さらに3次元制作の流れなどを幅広く学ぶ必要があります。
加えて、ソフトやハードに関する基礎的な技術知識や、クリエイターに欠かせない知的財産権の理解も含まれています。
これからCGを学び始める方にとって、知識の土台を固める良い機会となる範囲です。
エキスパート
エキスパートレベルでは、より高度で実践的な内容が問われます。
・実写映像の撮影:カメラワークやライティングの高度な技法
・映像編集スキル:編集ソフトの活用方法や映像の構成
・モデリング手法:複雑な立体モデルを作成するための技術
・リギング技術:キャラクターやオブジェクトを動かすための骨組み設定
・CGアニメーション制作:動きやタイミングの表現
・シーン構築:背景・オブジェクト・ライティングを組み合わせた空間設計
・プロダクションワーク:制作現場における役割分担やワークフロー
・知的財産権:より高度な事例や実務上の注意点
・ファイル形式や規格:用途に応じた最適なデータ形式の選択
・数理造形:数学的理論を用いた形状設計やモデリング
撮影技術や映像編集、3Dモデリング、リギング、アニメーションといった制作工程に加え、シーン構築やプロダクションのワークフローについても出題されます。
さらに、実務で必要となるファイル形式やデータ規格の知識、数理造形のような専門的な分野も範囲に含まれるため、制作現場で即戦力となるスキルを持っているかどうかが試されます。
試験形式
試験は100点満点中70点以上で合格となります。
・ベーシック:マークシート式/全10問/試験時間60分
・エキスパート:マークシート式/全10問/試験時間80分
ただし問題の難易度によって合格ラインの体感は変わることがあります。
難易度と合格基準
・ベーシック:基礎をしっかり勉強すれば合格しやすく、合格率は60〜80%程度と比較的高めです。入門者や初学者に適したレベルといえます。
・エキスパート:合格率は20〜30%前後と難易度が高く、日常的にCG制作を行っている人でも対策なしでは苦戦する傾向があります。短期間の詰め込みでは不十分で、継続的な学習や実務経験を通じた理解が求められます。
検定を通じて得られる知識は資格取得だけでなく、制作現場で役立つスキルとしても活かせます。
学習を通じて、プロとして活躍するための確かな力を身につけていきましょう。
3DCGクリエイター検定の学習方法
ここでは、3DCGクリエイター検定の勉強方法を紹介します。
1.ベーシックを受験する場合
2.エキスパートを受験する場合
3.推奨参考書
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
ベーシックを受験する場合
ベーシックはエキスパートより易しいとされますが、合格を目指すなら最低でも試験の1か月前から学習を始めるのがおすすめです。
学習の基本は公式テキストを活用し、計画的に進めることです。ただし、単に読むだけではなく、実際にCGソフトを操作してテキストの内容を体験と結び付けることで理解度が高まります。
ソフトは、無料で利用できるBlenderをはじめ、Mayaなどの有料ソフトを使用している場合は、それを軸に練習すると効率的です。
エキスパートを受験する場合
エキスパートは応用力が求められるため、3〜4か月程度かけて着実に学習することをお勧めします。
基本はベーシックと同様に公式テキストを軸に進めますが、出題は実践的な問題が中心になるため、日常的にCGソフトを使ってスキルを磨くことが不可欠です。
特に苦手分野は早めに克服するよう心がけましょう。先輩クリエイターやスクールの講師に質問するなど、事前の弱点対策が合格への近道です。
推奨参考書
以下の3冊は公式にも案内されている、試験準備の基本となる教材です
・CGクリエイター検定 エキスパート・ベーシック公式問題集[改訂第二版](両方の区分に対応)
・入門CGデザイン -CG制作の基礎-[改訂新版](ベーシック向け)
・ディジタル映像表現 -CGによるアニメーション制作-[改訂新版](エキスパート向け)
これらを軸に、ソフトの実践操作と組み合わせて学習を進めれば、試験本番でも自信を持って臨めます。
まとめ
3DCGクリエイターになるために資格は必須ではありませんが、スキルを体系的に学びたい方や就職・転職でアピールしたい方にとって、資格取得は大きなメリットとなります。
特に「CGクリエイター検定」や「CGエンジニア検定」は、基礎から応用まで幅広い知識を習得できるため、初心者にも経験者にもおすすめです。
また、PhotoshopやIllustratorのスキルを証明する試験や、色彩に関する資格も、現場での実務力を高めるうえで役立ちます。
今後のキャリアに不安がある方は、資格学習を通じて知識を深め、実務に活かしていくことを検討してみてはいかがでしょうか。

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