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Autodesk、Flame 2026.2をリリース

Autodesk(オートデスク)は、VFXやポストプロダクション業界で広く使用されている合成・フィニッシング・エフェクト統合ソフト「Flame」の最新版として、Flame 2026のアップデートサイクルをスタートさせました。

今回のリリースでは、OpenColorIOによる高度なカラーマネジメントへの対応をはじめ、画面上のテキスト編集をより直感的に行える新たなタイプツール、そしてAI技術を活用した高精度なクリップのアップスケーリング機能が追加されています。

また、Flameのライトバージョンにあたる「Flare」や補助作業に特化した「Flame Assist」も同時にアップデートされました。

一方で、従来同シリーズの一部であったカラーグレーディング専用アプリ「Lustre」は今回の更新をもって提供終了となっています。

カラー管理のSynColorに代わりOpenColorIOが採用

Flame 2026の大きな進化のひとつは、カラー管理システムが従来のAutodesk Color Management(SynColor)から、業界標準のOpenColorIO(OCIO)に切り替わった点です。

このアップデートによって、FlameはMayaや3ds Maxなどの他のAutodesk製品と同様に、統一されたカラー管理環境に対応しました。

さらに、HoudiniやNukeといった他社製VFXツールとのワークフロー統合もしやすくなり、プロダクション間でのカラーデータの整合性がより保たれます。

なお、今回の変更は下位互換性を維持しており、これまでSynColorで制作されたFlameプロジェクトもOCIOに自動で移行されるため、既存データを手動で変換する必要はありません。

新タイプツールが従来のテキスト編集機能を刷新

Flame 2026では、これまで使用されていた旧式のテキストツールに代わり、より高機能なタイプツールが新たに導入されました。

こちらのツールにより、タイトルやテキストの作成がより直感的かつ柔軟に行えるようになっています。

新しいタイプツールでは、文字間隔(カーニング)の調整やスタイル設定の操作性が向上し、フォント管理も整理されて扱いやすくなりました。

また、レイヤーリストを使った編集レイヤーのコントロールにも対応しており、より効率的なワークフローが実現されています。

さらに、このツールはバッチ、バッチFX、タイムライン機能との連携性も大幅に強化されており、カラーマネジメントやコンテキストビュー、マルチビューとの相性も向上。プロジェクト全体を通じて一貫したテキスト表現をサポートします。

機械学習を活用した高精度ビデオアップスケーリング機能

Flame 2026には、最新の機械学習アルゴリズムを用いた映像アップスケーリング機能が新たに追加されました。

この機能は、メディアの書き出し設定画面をはじめ、リサイズやトリミング処理、レンダリング、ファイル出力ノードなどで利用可能です。

このシステムにより、元のクリップ解像度を2倍・3倍・4倍へと高品質に拡大することができ、CPUまたはGPUのどちらでも処理が行えます。

ただし、GPUによる処理はフルHD(1,920×1,080)以下の解像度に限定されるため、作業環境に応じた設定が求められます。

なお、本機能は現時点ではRocky Linux環境にのみ対応しており、バックグラウンドでのエクスポートには非対応となっています。

その他のワークフローとパイプラインの改善

Flame 2026では、プロジェクト管理やパイプライン全体に関わる多くの改善が行われました。

再設計されたプロジェクト管理画面では、タグ付けや色分けによる視認性向上が可能になり、ファイルの保存先設定も柔軟に行えます。

Batch、Batch FX、MediaHubにも軽微な機能向上が加えられ、旧来の入出力クリップモジュールは非推奨となりました。さらにPython APIの拡張やRAWフォーマットの対応強化も行われています。

2026.1では、OpenFXプラグインがソースタイムラインFXに対応。ResizeやTimewarpの前段にエフェクトを適用でき、カラー調整やノイズ処理がより効率的になりました。

また、タイプツールではマスクやモーションブラーの適用も可能です。

2026.2では、AIベースの新しいマット生成モデル「AutoMatte」が追加され、特定の被写体を自動的に検出・分離できるようになりました。

ONNX形式でカスタムAIモデルの読み込みにも対応し、複数のAIモデルのマットを重ね合わせる高度な編集も実現しています。

macOS版Flameで機械学習機能の対応がさらに向上

Flame 2026.0では、macOS環境でも機械学習を活用したアップスケーリング機能が利用できるようになりました。使用にはmacOS 15.4以降およびApple Silicon(M1以降)のプロセッサが必要です。

また、TimewarpやMorphといったツールで使用されるAIベースのフレーム補間処理も、Mac上でのパフォーマンスが大幅に改善され、よりスムーズな編集が可能になりました。

価格と提供状況

Flame 2026をはじめ、Flame Assist 2026およびFlare 2026は、Rocky Linux 8.10/9.3/9.5とmacOS 13以降の環境に対応しています。

これらの製品はすべてサブスクリプション方式での提供となり、買い切り型ライセンスは用意されていません。

Flameの利用料金は月額650ドル、または年額5,215ドルで提供されており、いずれもFlame 2026.0の公開に伴い、月額で10ドル、年額で170ドルの価格改定が行われました。

Flame AssistおよびFlareについては、認定販売代理店を通じて入手可能で、2026.0リリース時点における年間ライセンス価格は2,775ドルとなっています。


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