3DCG

3dcg ポートフォリオのアイキャッチ画像

【2024年最新】3DCGデザイナーのポートフォリオ作成方法とは?ポイントや必要な技術を紹介!

VRやARの普及に伴い、3DCGデザイナーの需要は今後高まるとされています。

また、日常生活やゲーム・映画などの多くの場面でCGの活用が進んでいることから、CGデザイナーの求人や案件も増加しています。

3DCGデザイナーは、ハイレベルなスキルを持つ人材は常に不足しており、スキルや経験次第で高年収を目指すことも可能です。

今後はAIを活用したデザインで幅が広がる職種となっているため、将来性のある職業として注目を集めています。

したがって、その制作を担当する3DCGデザイナーの確保に各社が力を入れており、転職を考えている人にとっては良い機会となっています。

しかし、自分の能力や実績をうまく伝えられず、書類選考の段階で落ちてしまう人も少なくありません。

そこでこの記事では、3DCGデザイナーのポートフォリオ作成方法やそのポイント、求められる技術やスキルを徹底解説します。

この記事で分かること
・3DCGデザイナーのポートフォリオの概要
・3DCGデザイナーに必要な技術
・3DCGポートフォリオの作成手順
・ポートフォリオ作成ポイント

そもそも3DCGポートフォリオとは?

3DCGポートフォリオの画像

3DCGのポートフォリオは、自身の作品を集めたもので、就職や転職の際にアピールするために使用されます。

作品を見てもらい、興味を持ってもらえれば、自分のスキルを最大限に発揮できる場での活躍が可能になります。

一般的に、3DCGのポートフォリオには作成したモデル、映像、アニメーションなどが含まれますが、これは3DCGに限らず、イラストやデッサンなどの芸術作品にも応用できます。

静止画や動画を組み合わせることで、3DCGに関する能力を効果的にアピールでき、過去の実績を伝える資料にもなります。

そのため、過去の作品を整理してポートフォリオを作成することが望ましいとされています。

また、3DCGの技術に自信があっても、ポートフォリオの質が低ければ、その実力は伝わりにくくなります。

ポートフォリオの完成度が非常に重要であり、しっかりとしたポートフォリオを作成することが不可欠です。

質の高いポートフォリオを作成することで、就職や転職のチャンスを広げられるため、どのような作品を作り上げてきたか、そして自分が何をできるのかを明確に伝えることが重要になってきます。

3DCGデザイナーに必要な5つの技術

ここでは、3DCGデザイナーに必要な5つの技術を詳しく解説します。

3DCGデザイナーに必要な技術

1.コミュニケーション能力
2.デッサン能力
3.表現力と美的センス
4.技術力と最適化能力
5.空間把握能力

3DCGデザイナーに求める能力は多岐にわたりますが、特に上記のスキルが必須とされています。

まずは自分のスキルを再確認し、ポートフォリオで強調できる部分をしっかりアピールしましょう。

それではここから、3DCGデザイナーに必要な技術を1つずつ紹介します。

1.コミュニケーション能力

3DCGデザイナーに限らず、全ての業種においてコミュニケーション能力は非常に重要です。

3DCG制作は一人で行うものではなく、同じCGセクションのメンバーと作り方を相談したり、リーダーに作品の意図を伝えたりする場面が日常的にあります。

また、同じプロジェクトに関わるプランナーやエンジニアに対して説明を求められることも少なくありません。

自分が制作するモデルや作品の概要、制作意図、納期などを明確に伝えられなければ、チームでの3DCG制作は困難になります。

ただし、頻繁に人と話す職種ではないため、徐々にコミュニケーションを取ることが重要になります。

大切なのは、チームメンバーを不快にさせない話し方や、状況を改善するための建設的な会話ができることが求められます。

2.デッサン能力

3DCG「デッサン能力」の画像
出典:ArtStation

3DCGデザインは2Dデザインとは異なり、リアルなモデリングが必要であることから、高いデッサン能力が求められます。

立体的であるだけでなく、違和感のない表現が求められ、人物や動物は生きているかのように見えることが重要です。

また、髪の毛や衣装などの動きのある部分は滑らかに、地面や建物などは硬さや質感を再現する必要があります。

3DCGデザインの基礎は、『物を的確に捉えるデッサン力』であり、採用担当者は完成した3DCGだけでなく、2Dのデッサンも評価し、造形力や観察力を見ています。

デッサン力は日々の練習で向上するため、日常的にスケッチなどでトレーニングを続けることが重要です。

3.表現力と美的センス

3DCGデザイナーとして、高精度なモデルを作成する技術は不可欠ですが、人々の心を引きつける作品を生み出す『表現力と美的センス』も重要です。

映像を見て「すごい」「本物みたい」と感じさせるだけでなく、「このゲームで遊びたい」「このキャラクターを動かしたい」「この世界を冒険してみたい」と思わせるような作品の制作が求められます。

そのためには、自分が表現したい世界観がしっかりと伝わるポートフォリオ作りが必要です。

3DCGにおけるセンスは先天的なものだけでなく、流行のデザインをキャッチアップすることで磨かれます。

SNSや展示会などを通して、常により良い作品を見て、自分の表現に取り入れる姿勢を忘れないようにしましょう。

4.技術力と最適化能力

3DCG「技術力と最適化能力」の画像
出典:ArtStation

3DCGデザイナーは、高い技術力と様々な環境に対応した最適化能力が必要です。

3DCGデザインでは、データが大きくなるほど、読み込み時間は延びてしまいます。

特に、スマートフォンはメモリ容量が限られているため、大容量で高精細なモデルを展開しようとすると、ゲームなどの安定性に影響を与える可能性があります。

したがって、3DCGデザイナーには高品質のグラフィックを表現する技術に加えて、低容量で美しいモデルを作成する技術も必要とされています。

5.空間把握能力

出典:ArtStation

3DCGデザイナーには、作成するモデルのイメージ画や資料を見て、それを立体化された映像として瞬時にイメージできる空間把握能力が求められます。

もっと詳しく言うと、形状の凹凸、各パーツの前後関係、光が当たったときの影の落ち方、可動部分が動いた際の形状変化などを想像する能力が必要です。

つまり、各方向からどう見えるかを展開して考えるスキルが、3DCGデザイナーが効率的にモデリングを進めるために必要になるということになります。

採用担当者は、この能力があるかどうかを、ポートフォリオに掲載された3DCG作品や、多面体のデッサン、顔の面取りなどを通じて評価します。

3DCGポートフォリオの作り方

3DCGのポートフォリオを作成するためには、必要なものを準備し、手順をしっかりと把握することが重要です。

ここでは、3DCGポートフォリオの作り方を1つずつ詳しく解説します。

3DCGポートフォリオの作成手順

1.自信があるポートフォリオを選定する
2.プロフィールを作成する
3.作品の紹介を作成する
4.より詳細な作品集を提示する
5.3DCGのポートフォリオを動画で作成する
6.アピールページを作成する

それでは1つずつ解説します。

1.自信があるポートフォリオを選定する

3DCGポートフォリオ「自信がある画像」の画像
出典:ArtStation

3DCGポートフォリオ作成手順の1つ目は、これまでに制作した作品の中から、特に自信のあるものを選んで準備することです。

すべての過去作品を盛り込むと、ポートフォリオが過剰な情報で溢れてしまう可能性があります。

優れたポートフォリオは、ひと目で興味を引き、作品の内容や技量を理解できるため、簡潔でわかりやすく、見やすいポートフォリオを目指すことが重要になります。

2.プロフィールを作成する

3DCGポートフォリオ作成手順の2つ目は、プロフィール作成です。

プロフィールには、名前などの基本情報と経歴を簡潔にまとめて記載します。

また、これまでに携わった作品名や受賞歴があれば、それも書き加えることをおすすめします。

さらに、使用しているソフトやツールの名前を記載することで、自分が何を扱えるのかを明確に伝えられます。

それらのソフトやツールを使ってきた年数や頻度などの具体的な情報を加えると、実力をより効果的にアピールできるため、採用率が高まります。

3.作品の紹介を作成する

3DCGポートフォリオ「作品の紹介を作成する」の画像
出典:ArtStation

3DCGポートフォリオ作成手順の3つ目は、最も重要な作品の紹介です。

まずは紹介したい作品を厳選し、それぞれの作品の写真やスクリーンショットを撮影して1ページにまとめます。

紹介したい作品を厳選する際は、作品の数よりも質を重視することが大切です。

作品紹介のページを作成したら、次に作品ごとに1ページずつ紹介ページを作ります。

1ページに1作品を紹介する形式でも、見開きで1作品を紹介する形式でも構いません。作品紹介には必ずタイトルを付け、Webページがある場合はそのURLも記載します。

作品が分かる写真やスクリーンショット、制作した日付も加えます。

さらに、クライアントの名前を記載しても問題がなければ、記載することをおすすめします。

また、作品の目的やコンセプトを明確に書くことが重要です。制作にかかった時間や使用したソフトやツール、制作の流れも詳細に記載すると丁寧なポートフォリオが完成します。

4.より詳細な作品集を提示する

3DCGポートフォリオ「より詳細な作品集を提示する」の画像
出典:ArtStation

3DCGポートフォリオを作成する際は、より詳細な作品集を提示することをおすすめします。

静止画を中心としたポートフォリオには、モデルの正面や様々な角度から撮影した写真やスクリーンショットを掲載しましょう。

ワイヤーフレームや使用したテクスチャの画像も加え、ポリゴン数やボーン数といった技術的な情報も重要です。

また、自分でデザインしたモデルを作成した場合は、そのデッサンやコンセプトを載せます。

デザイナーが別にいる場合は、そのことを必ず記載するようにしましょう。

5.3DCGのポートフォリオを動画で作成する

出典:ArtStation

3DCGポートフォリオを作成する際は、3DCGのポートフォリオを動画で作成することも有効です。

モーションやアニメーションにおいて、静止画だけで技術を示すのは困難で、実力が伝わりにくいデメリットがあるため、3DCGのポートフォリオは動画形式で作成します。

これをデモリールと呼び、制作に携わった作品の中から選んだシーンをつなぎ合わせ、約5分程度にまとめます。

デモリールには、制作したシーンを基本に、担当部分や注目してほしいポイントの補足を加えます。

また、テロップを使用して、作品紹介の邪魔にならないように、使用したソフトや制作時間などの情報を記載します。

3DCGのポートフォリオは、職種によって重要なポイントが異なります。

モデラーの場合はモデルや背景が重要で、モーションデザイナーは動きの見せ方が重要です。

アニメーターはストーリーの流れや感情の表現を重視し、エフェクトデザイナーは求められる表現や制作したエフェクトについて明示します。

6.アピールページを作成する

3DCGポートフォリオを作成する際は、アピールページを作成しましょう。

自分をアピールするページは、ポートフォリオの集大成ともいえる重要な部分です。

3DCGに興味を持ったきっかけや、目標に向けてどのように努力しているかを具体的に明記しましょう。

また、将来の目標や取り組みたい作品についてもアピールし、得意分野や仕事で重視していることを記載するのも効果的です。

自己紹介や作品紹介の形式にとらわれず、自由に表現しても構いませんが、採用担当者がどのように受け取るかを考慮し、採用につながるように工夫しましょう。

アピールページは自分の魅力を最大限に伝える場なので、工夫して人間性やキャラクターが伝わるように書きます。

3DCGの範囲内であればどのように書いても大丈夫ですが、採用担当者は、あなたが仕事で能力を発揮できるかどうか、また協調性があるかどうかを見極めようとしています。

コミュニケーション能力やチームワークをアピールする内容にすることで、採用担当者が求めている人物像に近づきやすくなり、採用率が高まります。

3DCGデザイナー職種別ポートフォリオ作成のポイント

3DCGデザイナーといっても、その職種は多岐にわたるため、希望する職種に合わせてポートフォリオの内容を工夫することが求められます。

また、新しい職種に挑戦する際にも、転職後に担当したい職種で役立つスキルをアピールするために、作品を見直すことが重要です。

ここでは、3DCGデザイナー職種別ポートフォリオ作成のポイントを詳しく解説します。

3DCGデザイナーのポートフォリオ作成ポイント

1.モーション/アニメーション/エフェクト/VFX
2.モデラー
3.テクニカルアーティスト

それでは1つずつ解説します。

1.モーション/アニメーション/エフェクト/VFX

モーション/アニメーション/エフェクト/VFXの画像
出典:ArtStation

3DCGデザイナーのポートフォリオを作成する際、モーション、アニメーション、エフェクト、VFXなど動きのある部分を担当する場合は、動画形式で準備するとその実力が効果的に伝わります。

VFXとは・・・VFXは「Visual Effects」の略で、視覚効果を指します。現実には見られない効果を実現するため、映画やテレビドラマで使用される特撮の一種です。現実の映像と架空の映像を違和感なく融合させる技術のことを指します。

担当したパートの説明は、動画とは別に見やすいテキストで準備しておくと、丁寧で伝わりやすいポートフォリオが完成します。

2.モデラー

モデラーの画像
出典:ArtStation

3Dモデラーは、ゲームやアニメに登場するキャラクター、アイテム、背景など、さまざまな要素を3DCGソフトで立体的に制作する仕事です。

2次元の原画から精細な3DCGを作成できることを示すため、ポートフォリオには原画を必ず含めるようにしましょう。

また、物体をしっかりと描く能力を示すためには、さまざまな物のデッサンも重要です。

デッサンから原画、そして3DCGへの制作過程をすべて一人で行った作品があると理想的です。

キャラクターの場合、元の原画と三面図を比較して並べることで、スキルを効果的に伝えられます。

ただし、原画や三面図を別のデザイナーが担当していた場合は、その旨を明記する必要があることを覚えておきましょう。

完成データだけでなく、ワイヤーフレームや仕様(ポリゴン数やボーン数、テクスチャなど)、制作の各ステップの画像も掲載すると、スキルや得意分野をアピールするのに役立ちます。

3.テクニカルアーティスト

テクニカルアーティストの画像
出典:ArtStation

テクニカルアーティストは、デザイナーとプログラマーの橋渡し役を担うことが主な業務になります。

特に、デザイナーの業務効率化をサポートする職種ですので、ポートフォリオには各種DCC(デジタルコンテンツ作成)ツールのプラグイン開発の実績やその機能について記載し、具体的にどのような問題があり、それをどのように改善したのかを簡潔に説明することが重要です。

まとめ

本記事では、3DCGポートフォリオの概要や3DCGデザイナー必要な技術、ポートフォリオの作成方法を徹底解説しました。

また、3DCGデザイナー職種別のポートフォリオ作成ポイントも紹介しています。

まとめ
・3DCGポートフォリオは、自身の作品を集めて就職や転職の際にアピールするための資料のようなもの
・3DCGデザイナーには、5つの技術が必要
・3DCGポートフォリオは6ステップで完成する
・3DCGデザイナーはポートフォリオの内容を工夫する必要があるため、各ポイントを抑えておく

3DCGポートフォリオは、就職や転職時に自身のアピール資料として使われ、採用担当者に興味を持ってもらうことで採用率が高まります。

ポートフォリオは、応募者のスキルを示す最も重要な資料で、履歴書や職務経歴書よりも価値があります。

どれほど素晴らしい経歴や大規模なプロジェクトに関わっていたとしても、ポートフォリオが評価されなければ、採用までの道のりは遠くなります。

そこで、本記事で紹介したポイントを踏まえ、自分のスキルを最大限にアピールできるポートフォリオを作成しましょう。


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