Fusion 360で平行リンクを用いたマニピュレータを作成します。Fusion 360を使えば、平行リンクのようなリンク機構を簡単に作成可能です。後半では、「モーションスタディ」という機能を使って実際に作成したコンポーネントを動かしてみるので、ぜひ最後までご覧ください。
はじめに
今回は、Fusion 360で平行リンクを用いたマニピュレータを作成します。平行リンクは平行四辺形の構造をもつリンク機構の一種で、ショベルカーなどに似た構造がみられます。
また、リンク機構では、骨組みとなる部材を「リンク」、リンク同士をつなぐ関節部分を「ジョイント」と呼びます。これらのリンクやジョイントを組み合わせて、様々な軌道を描けるのがリンク機構の特徴です。
今回作成するマニピュレータは、先端の位置を固定したまま、アームの角度のみを変更する動作を平行リンクによって可能にしています。
スケッチを描いてボディを作成しよう
はじめに、ボディを作成するためのスケッチを描きます。下の画像は、平行リンク部分のスケッチです。今回は、ふたつの平行リンクを組み合わせて使用しています。各寸法を確認しながらスケッチを描きましょう。
その他の部分も、下の側面図を参考にしながらスケッチを描きます。
スケッチが描けたら、スケッチをもとに立体を作成します。ほとんどのボディが「押し出し」や「回転」で作成可能です。ボディを作成するとき、それぞれのリンクやジョイントが結合しないように注意しましょう。
根元部分のボディは、下の画像のように凹凸をつけて組み合わさるようにしておきます。
ボディからコンポーネントを作成しよう
ボディが作成できたら、そのボディからコンポーネントを作成しましょう。左側に表示されているボディをすべて選択し、「ボディからコンポーネント」を選択します。「アセンブリ」→「新規コンポーネント」からでもコンポーネントを作成可能です。
コンポーネントが作成できたら、「検査」→「コンポーネントのカラーサイクルの切り替え」を選択し、コンポーネントに色を割り当てます。
「位置固定ジョイント」を用いる前に、位置の基準となるボディを固定しましょう。今回は、根元にあるコンポーネント(青色)を固定します。左側に表示されているボディを右クリックし、「固定」を選択すれば、ボディを固定可能です。
「位置固定ジョイント」でモーションを設定しよう
「位置固定ジョイント」を使ってコンポーネントにモーションを適用します。まず、根元部分にあるコンポーネントに「回転」を適用します。「ジョイント」→「位置固定ジョイント」を選択し、「コンポーネント」に根元にあるふたつのコンポーネントを選択します。
コンポーネント選択し、モーションのタイプを「回転」に変更したら、回転軸を指定します。今回は、穴の円柱形状の中心を選択しました。このとき、コンポーネントの一方を非表示にしておくと選択しやすいです。
次に、ジョイント(黄色)に「剛性」を適用します。コンポーネントに水色のコンポーネントと黄色のジョイントを選択。モーションのタイプを「剛性」に変更して、OKをクリックすればモーションが適用されます。
もう一方のジョイントにも同様にして「剛性」を適用しましょう。
続いて、リンクとジョイントとの間に「回転」を適用します。「コンポーネント」にジョイント(黄色)とリンク(青色)を選択。モーションのタイプを「回転」に変更し、回転軸を指定してモーションを適用します。
その他のリンクやジョイントに対しても、同様にして「回転」や「剛性」を適用しましょう。
すべてのコンポーネントにモーションが適用できたら、準備完了です。「モーションスタディ」を使ってコンポーネントを動かしてみましょう。
モーションスタディでコンポーネントを動かそう
「ジョイント」を適用できたら、「モーションスタディ」を使ってコンポーネントを動かしてみましょう。「モーションスタディ」を使えばジョイントを適用したコンポーネントを自由に動かすことが可能です。
「アセンブリ」→「モーションスタディ」を選択し、コンポーネントに適用されているジョイントをクリックすれば、右下のグラフに線が追加されます。今回は、下の画像に示したコンポーネントに適用されている回転ジョイントを選択します。
グラフ上を右クリックで、新しく点を追加可能です。はじめに、「ステップ数 20」の位置に「-45 deg」を入力します。
さらに、「ステップ数 40」の位置に「45 deg」の点を追加します。
同様にして、リンクの可動域に注意しながら、点を追加しましょう。今回は、下の画像のように、3つの点を追加しました。
さらに、別のジョイントを選択すれば、同様にしてモーションを設定可能です。今回は、根元のコンポーネントに適用されている回転ジョイントを追加で選択しました。
先程と同様にして、右クリックで点を追加し、途中で90度回転するようにモーションを設定しました。
モーションが設定できたら、「モード」を指定し再生ボタンをクリックすれば、コンポーネントを動かすことが可能です。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございます。Fusion 360を使えば、平行リンクのようなリンク機構を簡単に作成し動かすことが可能です。Fusion 360で機構設計に挑戦してみませんか。
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