みなさんは「結合」コマンドを使いこなせていますか? 「結合」コマンドの操作には「結合」、「切り取り」、「交差」の3種類があります。今回のテーマはこの3種類の操作の解説です。後半では、「結合」を使って実際に指輪のモデリングをおこないます。、この記事で「結合」をマスターしましょう。
使用するコマンド一覧
作成 | 円柱 | 直径と高さを指定して円柱を作成 |
トーラス | 中心と直径を指定してトーラスを作成 | |
ミラー | 指定した面に対称なボディを作成 | |
修正 | 結合 | 複数のボディに対して「結合」「切り取り」「交差」などの操作を実行 |
外観 | ボディや面を彩色 |
「結合」を使いこなそう
「結合」コマンドの操作には「結合」、「切り取り」、「交差」の3種類があります。まずは、この3つの操作を確認していきましょう。
結合
「ターゲットボディ」と「ツールボディ」を接合。複数の立体どうしの『和』として考えられます。
切り取り
「ターゲットボディ」から「ツールボディ」との共通部分を除去。複数立体どうしの『差』として考えられます。
交差
「ターゲットボディ」と「ツールボディ」との共通部分を新規ボディとして作成。複数の立体どうしの『積』として考えられます。
これらの「結合」、「切り取り」、「交差」の3つの操作の組み合わせで、様々な立体形状を作成可能です。この操作を理解できると、モデリングの幅が広がるので身につけておきましょう。
また、立体どうしの「和」、「差」、「積」の演算は『ブーリアン演算』と呼ばれる演算方法です。さらに詳しく知りたい方は調べてみてください。
それでは実際に「結合」を使って指輪のモデリングをしていきましょう。
円柱を組み合わせて土台を作ろう
まず、指輪の土台となる形状を円柱を組み合わせて作成します。「作成」→「円柱」を選択し、円柱を作成します。
※「スケッチ」で円を描き、それを押し出しても円柱を作成可能ですが、今回は立体形状どうしの演算を理解しやすいように直接円柱を作成します。
「円柱」をクリックしたら、円柱を作成する平面を選択。今回は青色の軸(z軸)と赤色の軸(x軸)を含む平面を選択します。
平面を選択したら、中心点に原点を選択。直径を「25mm」とし、高さを「0.5mm」とします。
同様にして、もうひとつ円柱を作成します。まず、「作成」→「円柱」を選択。次に、円柱を作成する平面に、先ほど作成した円柱の上面を選択します。
平面を選択したら、中心に原点を選択。直径を「27mm」、高さを「1mm」とします。最後に、「操作」が「結合」になっていることを確認し、OKをクリックすれば完了です。
「ミラー」で上下対象にしよう
「ミラー」は指定した面に対称なボディを作成するコマンドです。面対称な形状のモデリングには便利なコマンドなので覚えておきましょう。
前のステップでは上半分のみを作成したので、「ミラー」で下半分のボディを作成し、上下対称にします。まず、「作成」→「ミラー」を選択。次に、「パターンタイプ」に「ボディ」を選択します。また、「オブジェクト」に作成した上半分のボディを選択し、「対称面」に下に示したボディの底面を選択します。以上の操作が終了したらOKをクリックし「ミラー」完了です。
「ミラー」は完了しましたが、このままでは作成したボディがふたつに分かれている状態です。「結合」でふたつのボディをくっつけてひとつのボディにしましょう。
まず、「修正」→「結合」を選択。次に、「ターゲットボディ」に上側のボディを、「ツールボディ」に下側のボディを選択します。「操作」が「結合」になっていることを確認し、OKをクリックすれば「結合」完了です。これで、「ミラー」で作成したボディがひとつに結合されました。
「切り取り」でボディに穴を開けよう
「切り取り」でこれまでに作成したボディに穴を開けます。「作成」→「円柱」を選択。円柱を作成する平面に作成したボディの上面を選択します。
平面を選択したら、中心に原点を選択し、直径を「23mm」とします。上下方向の矢印を下側にドラッグすると「操作」が「切り取り」へ自動的に切り替わり、切取るための円柱が赤色に変わります。このとき、ボディ全体が切り取られるのに十分な高さにしましょう。
この操作はブーリアン演算では『引き算』の演算になります。Fusion360では「結合」や「切り取り」が自動的に切り替わりますが、意識して使い分けられるようになりましょう。
以上の操作が終了したらOKをクリックして「切り取り」完了です。
「交差」でエッジを整えよう
「交差」を使って指輪のエッジに丸みを与えます。「面取り」や「フィレット」を使えば、エッジに丸みを与えられますが、今回は練習として「交差」を使います。
まず、「作成」→「トーラス」を選択。トーラスを作成する平面に今回は青色の軸(z軸)と赤色の軸(x軸)を含む平面を選択します。
平面を選択したら、中心点に原点を選択。「内径」を「24.8mm」、「トーラスの直径」を「3.2mm」とします。このとき「操作」を「交差」に切り替えるようにしましょう。
「外観」で最後の仕上げをしよう
最後に「外観」でボディにマテリアルを適用させます。まず、「修正」→「外観」を選択。様々なマテリアルを適用可能ですが、今回は、「ライブラリ」から「メタル」→「真鍮」→「真鍮-つや出し」を適用させます。
マテリアルのダウンロードが未完了の場合は先にダウンロードしておきましょう。マテリアルをボディにドラッグアンドドロップすると、マテリアルを適用できます。
また、面に対してもマテリアルを適用させましょう。まず、「適用」の領域にあるチェックボックスの「面」にチェックを入れます。次に、「ライブラリ」から「ペイント」→「メタルフレーク」→「ペイント-メタルフレーク(青)」を選択。先程と同様に適用させたい面にドラッグアンドドロップでマテリアルを適用可能です。このときの、色やマテリアルはお好みに合わせて自由に選択して大丈夫です。
以上の操作が完了したらOKをクリックして「外観」を終了し、全てのステップ完了です。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございます。「結合」コマンドの使い方は理解できたでしょうか? 今回モデリングした指輪のように、一見すると複雑に見える立体形状も、基本的な立体形状の和、差、積の組み合わせで考えられます。「結合」を使いこなしてモデリングの幅を広げましょう。
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