今回は設計や作図のために使われる3DCADとゲームやアニメーションのために使われる3DCGに分けて、初心者でも気軽に3Dモデリングができる無料のソフトウェアを紹介します。ご自身の目的に応じてソフトウェアを選択しましょう。
※以下、本記事中すべての画像はソフトウェア公式サイトからのスクリーンショット、および操作画面をキャプチャしたものです。
※完全に無料のソフトウェアに加え、有料ソフトウェアの無料版も紹介します。無料版とはいえ初心者が3Dデータを作成する入門用として、十分な機能が備わっています。むしろ、余計な機能がないため、初心者が迷わずに済むケースも多いです。
目次
無料の3DCADソフト
Tinker cad(ティンカーキャド)
Webブラウザで簡単に3Dモデルを作成できます。ダウンロードするタイプのソフトウェアではありませんが、直感的にモデリングできるツールなので入門ソフトとして人気です。15言語に対応しており、世界中で愛用されています。利用にはAutodesk(オートデスク)社のアカウント作成が必要です。
テキストや円球などさまざまな形状のモデルが用意されており、レゴのように組み合わせてモデルを生成します。作ったモデルは、ゲームのマインクラフトでの使用も可能です。
Fusion 360(フュージョン 360)
こちらもAutodesk社が提供しているCADソフトウェアです。非商用や学生・教員・スタートアップは無料で利用できるほか、無料版もあります。
レンダリングやスカルプトモード、サーフェイスモデリングも備えており、本格的な3DCADモデリングが可能です。
FreeCAD(フリーキャド)
名前の通り完全に無料で利用できるオープンソースの3DCADソフトウェアです。活発なコミュニティが存在し、Q&Aや拡張機能なども充実しています。
各機能はワークベンチと呼ばれるグループに分けられており、プロダクトデザインに留まらず、建築や船舶などに適した機能も備えています。
SketchUp(スケッチアップ)
個人利用で、かつWebブラウザ上で使用する分には無料で使用できる3DCADソフトウェアです。 オフラインで使えるようにダウンロード利用をする場合や商用利用の場合には有料プランに切り替える必要があります。
機能面から建築業界で利用されることが多いですが、プロダクトのモデリングも可能で、「プッシュ・プル」と呼ばれるツールを使って直感的にサーフェイスモデリングができるのが特徴です。
2006年にGoogleが買収をおこない運営していましたが、2012年に現在の運営元であるTrimble社がGoogleから買収しています。
無料の3DCGソフト
Sculptris(スカルプトリス)
株式会社オークが提供しているスカルプトモデリングソフトです。スカルプトモデリングは粘土をこねるようにモデリングができ、生物のような曲線の多い有機的形状を作成するのに向いているツールです。
同社は他にも「Zbrush(ズィーブラシ)」というスカルプトモデリングソフトを提供しており、SculptrisはZbrushの無料版のような立ち位置のソフトウェアです。ぜひ、スカルプトモデリングの入門として利用してみてください。
Meshmixer(メッシュミキサー)
こちらもAutodesk社が提供している3DCGソフトウェアでSculptrisと同様にスカルプトモデリングができるツールです。球や立方体などのベースとなるデータがいくつか用意されていて、それらを組み合わせることで簡単にデータを作成できます。
また、3Dプリントに特化した機能もあり、メッシュの穴を埋めたり、中を空洞にしたり、メッシュを整えるスムージング機能があったりと、3Dプリント用のツールとしても使い勝手が良いのが特徴です。
SculptGL(スカルプトGL)
Stéphane GINIER氏によって公開されている無料のWebブラウザ上で動くスカルプトモデリングソフトウェアです。ダウンロード不要のため、URLにアクセスするだけですぐにモデリングを始められます。
また、SculptGLのソースコードはGitHubに公開されています。
基本的なブラシ機能は備わっており、オブジェクトを彫ってシワをつけたり、ペイントしたりすることができます。筆圧にも対応しています。
Blender(ブレンダー)
3Dモデリング、アニメーション、レンダリングが使用できるBlenderは、無料3DCGソフトウェアの決定版です。オープンソースのため、プラグインの開発やアップデートも頻繁におこなわれています。
難点は、機能が多すぎて初心者には使いづらいこと。情報量が多すぎるため、直感で使いこなせる人はまずいません。プロ向けのソフトよりも扱いが難しい部分があるため、かなりの勉強を必要とします。
Blenderだけでフル3DCG作品が完成すればコストパフォーマンスは最強です。本気で3DCG作成に取り組みたい人は挑戦してみるといいでしょう。
Metasequoia(メタセコイア)
株式会社テトラフェイスが開発・販売している日本製の3DCGソフトウェアです。そのため、日本語の解説やコミュニティが多いのが特徴です。有料版は税込み5500円ですが、機能が一部制限された状態で無料版として自由に利用できます。
キャラクターのモデリングなどに使い勝手が良く、アマチュアだけでなくプロにも愛用者がいます。インターフェースが直感的で使いやすいため、初心者のエントリーソフトにピッタリです。
ポリゴンの基本的な編集機能はもちろん、5角以上の多角形の作図や、中心線と幅を指定するだけでオブジェクトに肉付けできる「アーマチャー」という機能が特徴です。機能制限を解除する場合でもハイエンドソフトに比べれば破格の安さです。
まとめ
有償だとなかなか手が出せない3Dモデリングソフト。今回紹介した3DCADソフトや3DCGソフトは無料で利用できる(※一部条件付き)ので、ご自身のレベルや目的に応じてソフトウェアを選択してください。
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