男性にとって、年を重ねて増える悩み「薄毛」。対策には植毛やかつら、医療による増毛治療があります。
これらの治療に関連して、3Dプリンタ―で技術で脱毛症患者へ移植できる毛包をつくりだすことにコロンビア大学が成功しました。
今回は3Dプリンターを使った薄毛治療技術を紹介します。
概要
- 脱毛症患者を救う3Dプリンタ―技術
- 特殊な生体適合性プラスチック
- 皮膚の一部から毛包を育てる技術
- 毛包技術の以前からあった3Dプリンタ―製のかつら
薄毛対策に革命? 3Dプリンターで髪をつくる新技術とは
コロンビア大学の研究者は、3Dプリントを使い人毛を成長させる研究に成功しました。この成功自体は世界初であり、人体への移植をせずに生成できたため薄毛治療の技術が大幅に進歩しました。
厳密にいうと薄毛の治療というより、髪の毛を再生させるための毛包※の再生治療技術といえるでしょう。
実際に何を3Dプリントしたのかというと、生細胞に適した支持体などをつくる三次元構造を生体適合性プラスチックを使って印刷しています。
また、毛包生成の実験はいままで実施されてきましたが、生体を使った実験しか成功してきませんでした。今回の実験は生体ではなく容器のなかで、毛包を生成できているため培養もしやすくなっています。
※毛包(毛嚢)
一般的には毛穴とも呼ばれ、毛を生成する機関。この機能が弱くなることで薄毛につながる(全てが毛包が原因という訳ではない)。
3Dプリンターで作った髪の毛の素材と使い方
実験で使われている生体適合性プラスチックは、生体適合性樹脂ともよばれており医療現場でも使用されています。
適合性のない材料は、体に入った際に異物として身体が判断して排除されるので生体には使えません。しかし、生体適合のある材料は生体との相互作用によって排除されることなく体に馴染むため、今回の実験も生体適合性プラスチックを使用しています。
毛包を作る手順としては、はじめにこの生体適合性プラスチックを使って細かな凹凸のある三次元構造を造形します。
その後、そこに皮膚細胞を培養します。
培養した皮膚細胞には、3Dプリンターで作った原型にあった細かな穴が空きます。ここに毛包細胞を入れ培養し、毛包を成長させるという手順です。
上記の環境で成長した毛包を頭皮に移植することで自然な毛髪を成長させます。
更にこの技術が発展すれば、従来よりも安く確実に薄毛や脱毛症に悩む方が確実な治療を受けられるようになるかもしれません。
【おまけ】3Dプリンターでかつらも作れる
2015年に発表されている技術ですが、アメリカのカーネギーメロン大学が開発した3Dプリンターでつくった「かつら」があります。
厳密には、人毛にちかい毛髪を作るという技術です。この技術のきっかけは、グルーガンを使った後にでる糸状のものを見て思いついたそうです。
当時の技術では同様の髪の毛を印刷には時間がかかっていましたが、発表から4年経った今はより早く正確な髪の毛を生成できるかもしれません。
3Dプリンター×かつらの未来にも注目です!
3Dプリンターは薄毛・脱毛症を救う!
今回は、3Dプリンター技術の応用によって毛髪が再生されるという医療分野について紹介しました。
3Dプリンターは毛髪の再生以外にも、さまざまな医療分野に応用されています。
モデログでは、今後も医療分野へ3Dプリンターがどのように応用されていくの追っていきます!
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