3Dプリンターは、近年ますます身近な存在となり、趣味やものづくりの分野にとどまらず、医療や建築といった専門領域にも活用が広がっています。
設計したデータをもとに、立体的なアイテムを自在に造形できる点が最大の魅力です。
この記事では、そんな3Dプリンターで実際にどんなものが作れるのかを詳しくご紹介します。
スマートフォンケースやアクセサリーといった小物から、試作品、医療用器具、鉄道模型まで、多彩な用途と可能性を知ることで、あなたの創作意欲を刺激するヒントが見つかるはずです。
3Dプリンターで作れるもの一覧
ここでは、3Dプリンターで作れるもの一覧を紹介します。
スマホケース
フィギュア
アクセサリー
ホルダー
医療器具
建築模型
ゲーム
鉄道模型
マグネット
キーホルダー
照明器具
試作品
ルアー
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
スマホケース

3Dプリンターを使えば、自分だけのスマートフォンケースを手軽に制作できます。デザインの自由度が高く、ロゴを配置したり、パターンを彫刻したりするなど、オリジナル性を持たせた仕上がりにすることが可能です。
さらに、従来の製造方法では再現が難しい立体的なキャラクターも装飾として取り付けられます。
フィギュア

3Dプリンターを活用してフィギュアを制作するサービスを提供する企業が年々増加しています。これらのサービスは、結婚式でのウェルカムドールや各種イベントでの記念品として人気を集めています。
さらに、個人で自宅に飾る用のオリジナルフィギュアを製作・複製するケースも見られます。同じデザインのフィギュアを複数作成し、異なる色に塗装することで、ペア仕様にするなどのアレンジも可能です。
アクセサリー

光造形方式の3Dプリンターを活用すれば、ネックレスや指輪、イヤーカフといった多様なアクセサリーを製作することが可能です。
近年では、このタイプの3Dプリンターが手に届きやすい価格帯になってきたこともあり、趣味としてアクセサリー制作を楽しむ人や、オーダーメイドジュエリーを扱う企業でも導入が進んでいます。
オーダージュエリーでは、依頼主との丁寧な打ち合わせを重ねながら、理想のデザインを形にしていきます。
しかし、試作の段階で完成イメージとずれが生じることも珍しくありません。
そうした場合、通常であれば何度もサンプルを作り直す必要があり、大きな負担になりますが、3Dプリンターを使えば試作品の制作をスムーズかつ効率的に行えるため、負担の軽減につながります。
ホルダー
3Dプリンターの魅力は、頭の中で描いたアイデアをそのままカタチにできる点にあります。
たとえば、日常生活で「ここにぴったり収まる収納が欲しい」と思う場面でも、自分仕様のサイズや形で作成できるのが大きな利点です。
市販品では見つからない理想の収納も、3Dプリンターがあれば実現可能です。
医療器具
近年では、3Dプリンターを活用して心臓や腎臓といった臓器や人体の模型を作成し、手術前の打ち合わせやシミュレーションに役立てる医療機関が増加しています。
造形技術の進歩により、非常に高精度な医療用モデルの出力が可能となってきました。
そのため、よりリアルで詳細な臓器模型の作成が実現できるようになっています。
さらに、義手や義足などの補助器具の製作にも3Dプリンターの導入が進められており、個別に最適化された医療支援が実現しつつあります。
建築模型
住宅会社では、施主に空間の完成イメージを具体的に伝えるため、建築模型を用いることがあります。
従来の手作業による模型制作では通常2~3日を要しますが、3Dプリンターを活用すれば制作工程を大幅に効率化でき、スタッフは本来の業務に専念できます。
さらに、3Dプリンターでの出力は3Dデータをもとに行うため、設計変更の反映漏れといったヒューマンエラーの防止にもつながります。
複雑なデザインにも対応可能な点や、プレゼンテーションやコンペでの訴求力を高められる点から、近年では住宅業界でも3Dプリンターの導入が進んでいます。
ゲーム
3Dプリンターを活用すれば、ボードゲームのアイテムも自作できます。
データ共有サイト「Thingiverse」では、トランプやサイコロ、オセロなど、さまざまなゲームパーツの3Dデータが無料で公開されています。
遊びたいゲームを選び、必要な道具をプリントして揃えられるため、親子や友人と過ごす時間がより充実したものになります。
鉄道模型
3Dプリンターを活用すれば、鉄道模型用のオリジナルパーツを自由に製作できます。
たとえば、列車本体だけでなく、信号機やフェンスといった情景小物や、鉄橋のような構造物のパーツまで、細かいディテールを自作することが可能です。
また、市販されている高級な鉄道模型の中には、価格が10万円を超えるものもあり、なかなか手が出せないこともあります。
そういった場合でも、3Dプリンターを利用することで、費用を抑えながらオリジナルの鉄道模型を作ることができます。
鉄道模型は、大人から子どもまで一緒に楽しめる趣味であり、創作の幅も広がる魅力的な分野です。
マグネット
3Dプリンターの魅力は、立体的でふくらみのある造形ができる点にあります。
たとえば、好きなキャラクターを立体的にプリントして、裏側にマグネットを取り付ければ、オリジナルのマグネットアイテムとして楽しめます。
キーホルダー
3Dプリンターで作成したパーツにチェーンなどの金具を取り付けることで、オリジナルのキーホルダーを簡単に作成できます。
使用したデータは「Thingiverse」からダウンロードしたもので、誰でも気軽に使えるのが魅力です。
なお、アニメキャラクターなどの著作物を無断で出力して販売するのは著作権侵害に該当する可能性があるため注意が必要です。
しかし、自分だけで楽しむ範囲であれば、世界に一つだけのオリジナルグッズを作成して楽しむこともできます。
照明器具
3Dプリンターを活用することで、自分だけの照明器具を手軽に制作できます。
照明器具のオリジナルデザインは難しそうに感じる方もいますが、「FlashPrint」と呼ばれるスライスソフトを使えば、複雑な3DCADソフトを使わなくても、簡単に自作が可能です。
試作品
近年では、商品開発の初期段階における試作工程で、3Dプリンターを活用する企業が増加しています。
3Dプリンターを使えば、試作品を短期間で作成でき、設計や形状のチェックが容易になります。
従来のように射出成形によって試作する場合、多くのケースで簡易金型を製作する必要があり、その分の費用や手間がかかっていました。
一方で、3Dプリンターを使用すれば、金型を用いずに直接試作品を造形できるため、初期費用を抑えながら効率的に試作を進めることが可能です。
ルアー
3Dプリンターを使えば、オリジナルのルアーを手軽に自作できます。
形状や大きさ、デザインを自分好みに調整できるため、自分だけのルアーを釣りに活用することが可能です。
釣行中にルアーを紛失してしまうことは珍しくありませんが、毎回買い直しているとコストがかさんでしまいます。
そんな悩みも、3Dプリンターがあれば解決できます。
ルアーの3Dデータは、「Thingiverse」などの共有サイトで配布されており、必要なデータをダウンロードすれば誰でも簡単に制作が始められます。
初心者におすすめな3Dプリンターは『Adventurer3』

初心者向けの3Dプリンター『Adventurer3』は、税込49,500という手頃な価格でありながら、必要な機能をしっかりと備えており、初めての一台として最適です。
FLASHFORGE社が販売するこのモデルは、340mm×380mm×405mmというコンパクトなサイズで、設置場所に困ることがありません。
また、重さも9kgと軽量なため、使いたいときにテーブルに出して、使用後は簡単に片付けることができ、家庭用として非常に扱いやすい仕様となっています。
さらに、初心者にも安心して使えるよう、多彩なサポート機能が搭載されています。
たとえば、造形中にフィラメントが切れても補充が可能なフィラメント検知機能、ノズルをワンプッシュで簡単に取り外せる仕組み、2.8インチの日本語対応タッチパネル、PCから造形の様子を確認できる内蔵カメラ、わずか50秒で加熱が完了するホットエンドなど、使いやすさを追求した設計が随所に施されています。
静音性にも優れており、稼働音はわずか45dBです。これは日常会話よりも静かなレベルであり、深夜や静かな環境でも気兼ねなく作業を進めることができます。
騒音に敏感な方や家族がいる方にも安心しておすすめできます。
また、サポート体制も充実しています。初心者向けモデルであるため基本的には簡単に操作できますが、万が一わからないことがあっても安心です。
たとえば、フィラメント排出時の異音、ノズルが加熱されない、ファームウェアの更新方法がわからないといったトラブルにも、FAQが随時更新されて対応しています。
FAQで解決しない場合は、問い合わせることで個別に対応を受けることができます。
このように、「Adventurer3」は、初めて3Dプリンターを使う方でも安心してモノづくりを始められる優れたモデルです。
価格、機能、サポートのバランスに優れており、これから3Dプリンターを始める方にとって心強い一台となるでしょう。
まとめ
3Dプリンターは、スマホケースやアクセサリーなどの身近なアイテムから、建築模型や医療用モデルのような専門性の高い分野まで、幅広く活用されています。
自身のアイデアを自由に形にできるため、趣味の制作からビジネス利用まで対応可能です。
出力方式や素材の選択肢も豊富で、用途に応じたカスタマイズが行える点も大きなメリットといえるでしょう。
また、製品の試作や小ロット生産にも最適で、従来よりも短期間・低コストでアイデアをカタチにできます。
ただし、強度が必要なパーツや透明度を求める製品には不向きなケースもあり、目的に応じた使い分けが重要です。
初心者でも使いやすい機種も多数登場しており、今から始める方でも安心して導入できます。
ぜひ本記事を参考に、3Dプリンターの可能性を体感してみてください。
3Dプリンターで作れるものに関してよくある質問
ここでは、3Dプリンターで作れるものに関してよくある質問と回答を紹介します。
どのくらいの大きさのものが造形できますか?
3Dプリンターのモデルによって造形可能なサイズは大きく異なります。
大型の機種では、1辺が約1,000mmの立方体サイズまで一体成形ができるものも存在します。
たとえば、エス.ラボ社の茶室シリーズ(ペレット式3Dプリンター)では、2,000×1,500×1,500mmという大規模な造形にも対応可能です。
また、造形後に複数のパーツを接合することで、さらに大きな構造物を制作することも可能です。
ただし、どの3Dプリンターも造形範囲に制限があるため、使用予定の機種における「最大造形サイズ」は必ず事前に確認してください。
なお、造形サイズが大きくなるほど、設計・出力時の難易度も上がる点には注意が必要です。
3Dプリンターの造形方式は何を選択するべきですか?
3Dプリンターの造形方式は、作りたいものの種類や使用者の習熟度に合わせて選ぶのがポイントです。
代表的な方式としては、『熱溶解積層方式(FDM)』と『光造形方式(SLA)』の2種類があります。
熱溶解積層方式は、フィラメントと呼ばれる素材をノズルで加熱し、溶かしながら一層ずつ積み上げて形を作る方法です。
扱いやすく、機種の価格も比較的手頃なため、初心者の入門機としてよく選ばれています。
一方、光造形方式では、液状の樹脂に紫外線を照射することで硬化させ、精密な層を積み重ねていきます。
この方式は細かい造形表現が得意で、たとえばフィギュアやジュエリーのように細部までこだわった制作物に適しています。
3Dプリンターのフィラメント種類と選び方を教えてください
3Dプリンターで使用されるフィラメント素材は、主に以下の7つに分類されます。
・レジン(光硬化樹脂)
・ゴム素材(弾性フィラメント)
・ナイロン
・石膏
・木材系複合素材
・金属系フィラメント
それぞれのフィラメントは性質や加工のしやすさ、仕上がりの質感などが異なるため、作りたい作品の用途や目的に応じて適した素材を選ぶことが重要です。
3Dプリンターでよく作られるものは何がありますか?
3Dプリンターを活用すると、製品の試作やプロトタイピングはもちろん、フィギュアやスケールモデル、ミニチュアといった趣味領域の作品制作から、部品やパーツといった実用的な完成品の製造まで対応できます。
さらに、文化財の復元・レプリカ作成、ネイルやアクセサリーなどのファッション用途、ドローンや車両関連のカスタムパーツ、日常生活を便利にする小物類、歯科治療に用いられる医療器具など、さまざまな分野での活用が進んでいます。
3Dプリンターで制作してはいけないものは何がありますか?
3Dプリンターで制作してはいけないものは、以下があります。
・完全に透明な製品
・非常に薄くて強度が必要なパーツ
・強度が求められる細い柱や突起物
・高精度な寸法が要求される工業部品
物によっては、3Dプリンターで制作すると罰金や最悪の場合逮捕される可能性があるので、注意しましょう。

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