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Maxon、ZBrush Summit 2025ユーザーイベントでZBrush の今後の機能をプレビュー

ZBrush Summit 2025の2日目にあたるイベント内で、Maxonは同社のデジタルスカルプトソフト「ZBrush」に関する今後のアップデート内容を公開しました。

新機能の紹介は、上記動画の7時間53分10秒付近から視聴できます。

今回の発表では、デスクトップ版およびiPad版の両方に対応する次期ZBrushの新機能が明らかにされました。

特に注目すべきは、新たに追加される「Retopoブラシ」です。これにより、高密度なスカルプトデータから、効率的かつ美しいトポロジーの低解像度ジオメトリを生成できるようになります。

さらにiPad版ZBrushには、新しいフォトグラメトリ(写真測量)機能も実装予定で、より直感的かつ柔軟な3Dモデル作成が可能になります。

これらの新機能は、2025年末までに一般向けにリリースされる予定です。

デスクトップ版とiPad版に対応:高精度なリトポロジー作業を可能にする新しいRetopoブラシが登場

ZBrush 2026.0『Retopoブラシ』の画像
出典:ZBrush

ZBrushのデスクトップ版およびiPad版の両方において、スカルプトモデルの上から低解像度のメッシュを手作業で作成できる「Retopoブラシ」が新たに搭載されました。このブラシを使用することで、ハイポリゴンモデルを基に、精度の高いローポリゴンのジオメトリを構築することが可能です。

従来のZBrushに搭載されていた自動リトポロジー機能とは異なり、この新ツールはユーザー自身が任意の箇所に新しいジオメトリを描画するタイプの半手動ツールです。MayaやTopoGunといったDCCツールで行うような直感的なリトポロジー作業に近く、細部にわたって形状を制御できます。

作成されるメッシュには三角形と四角形の両方を含めることが可能で、元の高解像度スカルプトを維持したまま、別のサブツールとして管理できます。新しいポリゴンは、1点ずつ頂点を配置して形成することも、既存のパッチの周囲に一括で面を描き足すこともでき、用途に応じた柔軟な操作が実現します。

さらにMaxonによると、Retopoブラシには200種類以上のプリセットパッチも同梱予定で、基本的な四角グリッドから、顔や手など人体に特化したトポロジー構造まで幅広くカバーされるとのことです。これにより、キャラクターモデリングやアニメーション制作において、効率的かつ正確なジオメトリ作成が可能になります。

iPad対応:革新的な写真測量ツールがZBrushに登場

ZBrush 2026.0『新しい写真測量システム』の画像
出典:ZBrush

iPad専用のZBrushに、新たに写真測量機能が導入されました。iPadの内蔵カメラを活用し、現実の物体をスキャンして高精度な3Dモデルとして再現できるようになります。

この機能によって、ZBrushの彫刻ツールと組み合わせてカスタマイズ可能な3Dベースメッシュを効率的に作成できるようになり、制作フローの柔軟性が一層高まります。

ユーザーインターフェースに追加された「キャプチャ」ボタンをタップするだけでスキャンが開始され、スキャン中はZBrush内にリアルタイムプレビューが表示されます。さらに、操作をサポートする自動通知も表示されるため、初心者でもスムーズに扱えます。

Maxonの説明によると、スキャンデータの処理から3Dモデルの生成までは数分程度で完了し、完成したモデルはテクスチャが付与された三角形ポリゴンのメッシュ形式として出力されます。

実際のライブ配信では、木の幹や岩、石像などを例に、中程度の解像度で構成された約1万〜1万2000頂点の3Dメッシュが作成されており、実用性の高い結果が示されました。

iPad対応:新検索機能と高精細レンダリングオプションの拡張

iPad向けのZBrushに、操作性を大きく向上させる新たな検索システムが追加されました。これにより、ツールや各種設定を素早く見つけられるようになり、作業効率が大幅に改善されます。

検索画面には、よく使われる設定項目のスライダーが表示され、検索結果から直接スカルプトのパラメータを即時に調整することが可能です。

さらに今後のアップデートでは、ビューポートレンダリングにおけるフレーム調整や切り抜き機能の追加、最大4K解像度での出力対応、複数のアルファを同時にインポートできる機能など、iPad版ならではの高機能化が予定されています。

ZBrushの新機能はどのバージョンで登場する?

ZBrushの最新機能がいつ実装されるのか気になるところですが、開発元のMaxonは具体的なリリース日はまだ発表していません。

ただし、年末までには一般ユーザー向けのパブリックバージョンで使用可能になる予定と明言しています。

これまでのバージョン管理とリリースの流れを踏まえると、次の更新は「ZBrush 2026.1」および「iPad版ZBrush 2026.1」となる可能性が高く、早ければ来月中にも公開されると見られます。

ZBrush2026の価格・対応環境・リリース時期

ZBrushの次期バージョンに搭載される新機能は、2025年の年末までに正式リリースされる予定です。

現在提供されている「ZBrush 2026.0」は、Windows 10以降およびmacOS 14.0以降に対応しています。

販売形式はサブスクリプションのみで、買い切り版は用意されていません。ZBrushの利用料金は、月額49ドル(約7,350円)、または年額399ドル(約59,850円)となっており、iPad版の使用も含まれています。

iPad版ZBrushは、iPadOS 17以降を搭載したモデルに対応し、A12 Bionic以上のチップを備えた端末で使用可能です。

アプリ自体は無料でインストールできますが、全機能を利用するためには月額9.99ドル(約1,500円)または年額99.99ドル(約15,000円)のサブスクリプション契約が必要です。

詳しい情報は、ZBrush公式サイトを合わせてご確認ください。


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