3Dプリンターで橋を作った事例が日本で生まれました。今回の紹介する技術により、建設業界の技術革新にもつながっていくでしょう。
大手ゼネコンの大林組がセメント系3Dプリンター技術を開発、利用して橋梁を作成したのでその詳細を紹介します。
概要
- 大林組の開発した3Dプリンターはセメント系材料を扱える
- 正確に1層ずつ積んでいくプリント技術
- 15分で一個の部材を組み立てることができる早さ
- 2019年9月に世界最長の3Dプリンター製の橋ができる?
大林組が作った3Dプリンター製の小規模橋
日本の大手ゼネコン「大林組」が小規模橋梁を3Dプリンターで作成しました。特殊なセメントを使用できる3Dプリンターを自社で開発し、製作した橋です。
建設業界では3Dプリンター技術の応用は模型の制作などに使われる程度でしたが、大林組が開発した技術は建設作業に応用されています。そのため、今後は橋以外の建設への応用も期待できるでしょう。
具体的にどのように橋が形成されていくのかというと、ロボットアームから材料を吐出して層を作っていきます。3Dプリンターで使われる材料ははセメント系で、従来セメント系材料の形状が崩れるデメリットを克服した特殊な素材をつかっています。
この形状が崩れるという弱点が残っていた場合、3Dプリンターにとっては深刻な問題で、作業中に形が崩れてしまうため使えません。セメント材料で形成する場合型枠が必要になりますが、今回採用している材料はその心配がないのです。
この性質をチキソトロピー性といって、圧力をかけられる(吐き出される瞬間)時は流動性があり形をつくりやすい状態になっています。しかし、吐き出された後は形状が維持されるように短時間で固まります。
そのため、正確に層を重ね橋を形成することができます。加えて従来時間がかかっていた曲線や中空形状の作成も短時間で作成可能です。
【世界最長の橋が間もなく完成?】世界の3Dプリンターを使った建築物事例
世界には3Dプリンターを使った建築物がすでに多く存在しています。今回ご紹介した橋より更に大きい世界最長の3Dプリンター製の橋とドバイの3Dプリンター製のオフィスについてご紹介します。
Bridge project
オランダでは世界最長の3Dプリンター製の橋梁制作が進められています。民間がおこなっているプロジェクトではなく、国家プロジェクトとして行われているのため規模の大きさに驚きです。
型枠を使った作成方法では作れなった自由な形状の橋が特徴になります。全長は29メートルであり、現状では3Dプリンターを使った橋としては世界最長になる見込み。完成は2019年9月といわれています。
ドバイにできた3Dプリンター製のオフィス
3年前のニュースですが、ドバイに3Dプリンターを使ったオフィスが作られています。外装だけではなく、装飾や内装すべて3Dプリンターで製作されているものです。
場所は54階建の高層ビル「エミレーツタワー」の複合施設のなかにあります。
一番の特徴は、見た目が近未来的なこと。
綺麗な見た目と内装であるのに、工事費は1500万円と建設費としてはあまり高くないことが特徴です。
3Dプリンターを利用することで建築業界の人的コスト・コスト削減に繫がる可能性も
建設業界は現在深刻な人材不足に陥っています。しかし、紹介したような3Dプリンター技術が発展していけば、業界の問題の解決にもつながっていくでしょう。
今後もモデログでは建設業界と3Dプリンターの関係を紹介していきます。
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