3Dプリントは使用する素材によって大きく値段が変わります。しかし、
・どの素材が高いの?
・安い素材だとなにか問題があるの?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回は3Dプリントで出力する素材ごとにどれくらい費用の差があるのかを検証します。素材ごとの特性も踏まえながら説明していますので最後までご覧ください。
3Dプリント出力費用の算出方法
3Dプリント出力費用の内訳は大きく分けて
・材料の使用量
・素材の種類
の2点が挙げられます。
作りたい造形物が大きければ大きいほど材料をたくさん使うことになるのでその分費用は高くなります。また、背が高くて大きいものより、丸くて体積が大きいもののほうが多くの材料が必要です。この場合は背が低くても値段が高くなります。
さらに、素材の種類によって単価が変わってくるので、材料の使用量が多い造形物に単価の高い素材を使うと、かなり高額になってしまうのです。
次項では、実際の作品の事例を参照しながら、素材ごとにどれくらい値段の差があるのかを解説していきます。
ナイロン樹脂の場合
ナイロン樹脂は3Dプリントに使用する素材の中でも一番値段の安い部類で、工業製品やスマホケースなどにも使われる素材です。
ナイロン樹脂は安価なうえ、とても頑丈かつ耐久性も非常に高いのが特徴。また、ナイロン樹脂は耐久性があることを活かして造形物の中身を空洞化できるため、空洞分のナイロン樹脂を減量してコストカットできるのもメリットです。
ナイロン樹脂の参考価格
幅50mm ✕ 高さ150mm ✕ 奥行き63mm=体積62㎤
のフィギュアを制作する場合の金額→13000円程度
▼メガネの試作品:出力費 6000円
量産前のメガネの試作品です。色は出力後に後塗りしています。実際にレンズをはめて使用することもできるほど精密にできています。
▼オリジナルトロフィー:出力費 80000円
実際にある銅像をモデルとした作品です。熱海広告祭の最優秀者に贈られました。
ゴムライク樹脂の場合
ゴムライク樹脂は3Dプリントに使用する素材の中ではかなり高価格。
名前のとおりゴムに近い材質で、柔軟性があります。ちなみに、柔らかさの加減の調整が可能で、伸び縮みする柔らかさから消しゴムくらいの硬さまで調整できます。
主な用途として、ゴム製品の試作段階ではゴムライク樹脂を使用して試作品を製作しています。
ゴムライク樹脂の参考価格
幅50mm ✕ 高さ150mm ✕ 奥行き63mm=体積62㎤
のフィギュアを作成する場合の金額→6000円程度
フルカラー樹脂の場合
フルカラー樹脂は3Dプリントに使用する素材の中では中価格帯に位置します。
3Dプリントは素材の色など無機質な感じになりがちですが、この樹脂ならフルカラーで製造が可能です。
3Dプリントは素材の色が影響するため無機質な印象があるかもしれません。しかし、作品をイメージどおりに3Dプリンターで出力するには「色」はかなり重要ですよね。3Dプリンターにもよりますが、フルカラー樹脂で細部まで色分けをすれば色鮮やかな作品を出力することもできます。
アクリル系の樹脂を使用しているので、耐久性・防水性が高いのも特徴です。
フルカラー樹脂の参考価格
幅50mm ✕ 高さ150mm ✕ 奥行き63mm=体積62㎤
のフィギュアを作成する場合の金額→22000円程度
▼マスコットキャラクター「はるかちゃん」:出力費 70000円
株式会社ひまわりライフのマスコットキャラクター「はるかちゃん」のフィギュアです。このようなかわいいキャラクターもフルカラー樹脂なら表現することができます。
▼アニメキャラのフィギュア:出力費 140000円
このようなカラフルなキャラクターも3Dプリントで再現。髪の毛などはかなり色使いが細かいです。
透明樹脂の場合
透明樹脂は3Dプリントに使用する素材の中では高価格帯に位置します。
用途やデザインの都合で透明にしたい場合は透明樹脂が適しています。ガラスに近い透明度なのに、ガラスと違って割れにくい性質をもっています。また、仕上がりは滑らかです。
透明樹脂の参考価格
幅50mm ✕ 高さ150mm ✕ 奥行き63mm=体積62㎤
のフィギュアを作成する場合の金額→65000円程度
▼コスプレ用パーツ(炎)
コスプレ用のパーツで炎を模した作品です。購入者が自分で色を塗りたいという希望にそって半透明で仕上げました。
▼照明
照明のパーツです。照明ということで、周りのパーツは光をきちんと通す透明性のあるものが良いため透明樹脂を使用しています。
まとめ
同じ値段の物を作るとしても素材によりかなり値段が違います。
しかし、価格が安いからといってナイロン樹脂などの単価の安い素材を使用してもイメージどおりのものが作れるとは限らないため、用途に応じて素材を選んでいく必要があります。
そうはいってもやはり3Dプリントの費用はできるだけ避けたいもの。その場合は3Dプリンタに詳しい担当者と、なるべく安くなるように素材を組み合わせたり、中を空洞化させたりなどの方法でコストカットの相談をしてみてはいかがでしょうか。
参照:3Dayプリンター
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