「トゥールビヨン」は、腕時計マニアなら一度は聞いたことのある憧れの機構ではないでしょうか。トゥールビヨンは超絶技巧とも呼ばれ、組み上げることが極めて困難です。
その機構を3Dプリンターを使い、組み上げたという事例がありましたのでご紹介します。
概要
- トゥールビヨンはどれだけ複雑なのか
- 3Dプリンターでの作成方法
- どのような作りになっているのか
- 3Dプリンターで作った時計は他にもある?
そもそもトゥールビヨンってなに?
トゥールビヨンとは、スイスの一流時計メーカー「ブレゲ」の創設者である時計技師「アブラアム=ルイ・ブレゲ」が開発した機構。重力の影響でズレが発生すると言われる、機械式時計の弱点を克服したものがトゥールビヨンです。
世界三大複雑機構と呼ばれる「永久カレンダー」「ミニッツリピーター」と並ぶ機構で、中には一戸建てと同じ金額の腕時計が存在するほど高価なものも。
動き方が美しく独特なことも特徴的なので、下記の動画を参照ください。
3Dプリンターで作ったトゥールビヨン
トゥールビヨンを組み上げることできる職人は世界でも数えるほど。日本には2名しかおらず、希少な技術です。
ところが、そのトゥールビヨンを3Dプリンターで出力パーツで再現した猛者が現れました。
留意点として、3Dプリンターは細かいパーツを製造するのは苦手なため、実際の時計に搭載されているトゥールビヨンより大きいです。
パーツ数は51点と少し多いですが、大きいため組み立てやすく、誰でもトゥールビヨンの機構に触れることができる面白い活動ですね。
ツールはFusion 360を使っており、3Dデータや組み上げ方も公開されているため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
3Dプリンターを活用した時計の事例
トゥールビヨンのほかに3Dプリンターを活用して作られた時計があるのでご紹介します。
HOLTHINRICHS WATCHES(ホンセリックウォッチズ)
建築士を志していたミヒル・ホンセリックが作った「HOLTHINRICHS WATCHES」。職人の技と金属3Dプリンターを融合させた時計をつくるメーカーです。
スターターウォッチ
国内にも3Dプリンターを応用した腕時計があります。
「スターターウォッチ」が提供しているのは、自分でデザインしたオリジナルの時計を3Dプリンターで作るというサービス。
フローは、ユーザーがWeb上でデザインした時計を3Dプリンターで出力します。郵送された時計のパーツキットを自分でを組み立てるという流れです。
世界にひとつしかない、自分だけの時計を作ってみてはいかがでしょう。
3Dプリンターの活用でいままで実現しなかった機構が実現できるかも
今回は、3Dプリンターの応用で作った「トゥールビヨン」についてご紹介しました。3D技術の発展により、今後さらに複雑な時計の機構が作れるかもしれません。
3Dプリンターと腕時計の技術の掛け合わせについて、腕時計マニアの方は注目してみてはいかがでしょうか。
参照
3Dプリンターでぜんまい仕掛けのトゥールビヨン式時計を自作した猛者が登場、パーツデータや組み立て方法などを公開中|Gigazine
金属3Dプリントと職人技が命を吹き込む、ビンテージ風腕時計|Materialism
Ginger
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