自分で3Dデータを作るときに必要となる3Dモデリングソフト。2019年10月現在、もっとも初心者にオススメと言えるソフトが「Tinkercad(ティンカーキャド)」です。操作は簡単でダウンロードも不要、さらには無料で使えるTinkercadの入門講座をお届けします!
目次
Tinkercadとは?
TinkercadはAUTODESK社が提供する3Dモデリングソフトです。「Tinker」は英語で「遊ぶ」「いじくりまわす」という意味なので、直訳するなら「いじくりモデリングソフト」といったところ。それくらい気軽に楽しめるわけですね。
そんなTinkercadが初心者にオススメの理由は3つ。
その1:直観的なインターフェース
ドラッグ&ドロップで積み木を重ねていくように3Dデータを作成できるので、2次元データと3次元データを行き来する必要がありません。3Dモデリングの感覚をつかむ第一歩として、とてもわかりやすいものになっています。
その2:ダウンロードが不要
Tinkercadはすべてウェブブラウザ上で動作するため、ソフトウェアをPCにインストールする必要がありません。OSの違いや環境設定を気にすることなく、サイトにアクセスするだけで簡単に利用できます。
その3:無料で使える
年齢や立場を問わず誰でも無料で使えます。サービスが無料で公開されていることはとても良心的ですね(商用目的でのソース転用など、利用が制限されるケースもあります。気になる方は利用規約に目を通してみてください)。
つまり、この記事を読んでいる人なら誰でも、今すぐに使い始められるというわけです!
Tinkercadへのサインイン
Tinkercadへのサインイン
Tinkercadを使うためには、こちらのアドレスにアクセスしてください。
※以下、本記事中すべての画像はTinkercadのWebサイトからのスクリーンショットおよびキャプチャ動画を編集したものです。
※画面が英語表記になっている場合は、サイトの一番下から表記を変更できます。
「さっそく使っていきましょう!」と言いたいところですが、Tinkercadを利用するにはAUTODESKアカウントが必要になります。アカウントをお持ちでない場合は、画面右上の「サインアップ」をクリックして準備を進めましょう。
上ふたつは教育機関で使うための選択肢ですね。今回は個人での利用なので「個人のアカウントを作成」をクリックしてください。
「国、領土、または地域」では「日本」を選択し、誕生日を入力してください。
※13才未満の場合は保護者の電子メールを登録し、個別に承認してもらう必要があります。
電子メールとパスワードを設定します。使用条件とプライバシーポリシーに同意できる場合、チェックボックスを埋めて「アカウントを作成」をクリックしましょう。
これでAUTODESKアカウントの作成が完了しました。「完了」をクリックすると、次のような画面にうつります。
画面真ん中の「Let’s Go!」を押すと公式のチュートリアルに突入するのですが、まだ日本語化されていないため今回は利用しません。右上の×マークをクリックして、ポップアップを閉じましょう。
すると写真のように「ダッシュボード」画面が表示されます。「新規デザインを作成」をクリックして、さっそくモデリングを始めましょう!
画面の見方とカメラ操作
こちらがTinkercadのメイン画面です。やたら堂々とした「作業平面」表記がすこし笑えますね。いろいろな機能がありますが、今回は最低限のものだけ解説します!
まずは左上にあるカメラ操作メニューをチェックしてみましょう。
- ViewCube:左クリックしながらドラッグすると画面が回転します。
- ホームボタン:一番最初の視点に戻る。
- プラス/マイナス:ズームイン/ズームアウト。
カメラの操作はマウスでもおこなうことができます。
- カメラの回転:右クリック+ドラッグ
- ズームイン/ズームアウト:ホイールの回転
- カメラの平行移動:Shift+右クリック+ドラッグ or ホイールの押し込み + ドラッグ
シェイプの配置と操作
Tinkercadでは「シェイプ」と呼ばれる立体図形を組み合わせて3Dモデルを作っていきます。画面右側のリストからさまざまなシェイプを選択できますが、今回は「基本シェイプ」の中にあるものだけを使います。
シェイプの配置
配置したいシェイプをクリックして、作業平面までドラッグしてから離します。
ボックスが配置されました。選択中はボックスのフチが青くなり、形状を調整するためのオプションが表示されます。何もないところで左クリックすると選択が解除されます。
シェイプの移動
マウスの左ボタンを押したままシェイプをドラッグすると、平面上を移動します。
シェイプを動かすと表示されるテキストボックスには、移動距離を直接記入することができます。正確に移動させたいときには、こちらを使うと良いでしょう。
作業平面に対して垂直方向に動かしたいときは、シェイプの上側に出る黒い▲マークをドラッグします。平面の移動と同様に数値入力もできます。
シェイプのサイズ調整
シェイプを選択すると、各頂点や中心点に白や黒の四角形が現れます。シェイプのサイズを変更するには、この四角形をドラッグします。
黒い四角■では一方向のサイズを、
白い四角□では複数方向のサイズを同時に変更できます。
移動のときと同じように、テキストボックスに数値を入力して大きさを決めることも可能です。
シェイプの回転
シェイプの周りに出る弧のような矢印をドラッグすると、縦・横・奥をそれぞれ軸にした回転ができます。数値で回転角度を指定することも可能です。
シェイプの調整
シェイプ選択時に現れるオプションを使うと、細かな形状の調整ができます。
- 半径:シェイプの角を丸めます。
- 手順:ポリゴンの粗さを指定します。
- 長さ、幅、高さ:それぞれの長さを指定できます。
複数オブジェクトの組み合わせ
複雑な形状を作るためには、複数のシェイプを組み合わせていきます。
やり方はとてもシンプル。複数のシェイプをドラッグで囲むかShiftキーを押しながらの左クリックでまとめて選択してから、「グループ化」をクリックてください。
「グループ化」されると複数のシェイプがひとつになり、色も統一されます。グループ化されたシェイプはいつでも「グループ解除」することができ、もとの複数のシェイプに戻せます。
さて、実はTinkercadにおけるシェイプは、「ソリッド」か「穴」という状態に設定されています。複雑な形状を作るためには、このふたつの状態をうまく使い分けてグループ化することが重要です。
「ソリッド」と「穴」は、シェイプを選択すると出てくるメニューから切り替えるうことができ、
「ソリッド」状態のシェイプは色のついた実体で表示され、
「穴」状態のシェイプは半透明の網掛けで表示されます。
「ソリッド」と「ソリッド」のグループ化
「ソリッド」同士をグループ化すると、選択したシェイプが合体してひとつのシェイプとして扱えるようになります。足し算のようなイメージですね。
「ソリッド」と「穴」のグループ化
「ソリッド」と「穴」をグループ化すると、「ソリッド」と「穴」が重なっている部分が削除されます。こちらは引き算のようなイメージ。
シェイプの足し算と引き算を組み合わせ、どんな手順でグループ化を進めれば良いか考えながらモデリングを行っていきましょう!
データの書き出しと保存
3Dプリントするためには、データを書き出す必要があります。保存したいシェイプを選択した状態で、画面右上の「エクスポート」をクリックしましょう。
「選択したX個のシェイプ」が選択されている状態で、3Dプリント用の書き出し形式を選択します。色情報を保存したい場合は「.OBJ」、そうでなければ「.STL」を選んでおくと良いでしょう。
データ作成を終わるときには、画面左上の「Tinkercad」マークを押して、ダッシュボードに戻ります。プロジェクトは自動で保存されているので、編集や削除、新たなプロジェクトの作成など自由に取り組んでみましょう!
まとめ
今回はTinkercadの基本的な操作をお伝えしました。慣れればサクサクと複雑な形も作れるようになって、とても楽しいですよ。「3Dモデリングに興味があるけど手が出せない」という方が一歩踏み出す手助けになればうれしいです。
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