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Blender用の群衆シミュレーションアドオン『iCrowds』が登場

3Dビジュアライゼーションツール「iCity」の開発チームは、ゲーム制作、アニメーション、建築パースなど多用途に対応するBlender向けの群衆シミュレーションアドオン『iCrowds』を新たに公開しました。

このアドオンを使えば、群衆キャラクターに食事・睡眠・トイレといった行動ニーズを設定でき、まるで「シムズ」のようなリアルな生活感を持つキャラクターを3Dシーンに配置できます。

複雑なアニメーションを手作業で設定することなく、多様な行動を自動生成できるため、自然な群衆演出を効率的に実現可能です。

Blenderシーンに群衆を手軽に配置できる軽量アドオン―iCity開発者が新たに公開

iCrowdsの動画
出典:SUPERHIVE

都市シミュレーションアドオン「iCity」で知られる開発者が、新たにBlenderシーン向けの軽量群衆アドオン「iCrowds」をリリースしました。

このアドオンは、ゲームや建築ビジュアライゼーションなどの分野で、複雑な群衆アニメーションを効率的に再現できる特徴があります。

iCrowdsは、iCityと連携させて都市の生活感を演出することも、単独で使用してシーンに動きのある群衆を加えることも可能です。

動作の種類も豊富で、他のアドオンでは見られないユニークな機能を備えています。

また、Blenderを使ったシーン制作において、リアルな群衆表現を求めるクリエイターにとって、iCrowdsは注目のツールといえるでしょう。

7種類のシステムで静的・動的な群衆を生成できるiCrowds

iCrowdsには、群衆を生成・制御するための7つの独立したシステムが搭載されています。うち3つはキャラクターが自律的に動き回る動的システムで、残り4つは固定位置で動かない静的システムです。

動的システムの中でも最も一般的なのが「Walkers」です。この機能では、通路やショッピングモールのような空間を想定し、群衆キャラクターが双方向に往来する様子をリアルに再現します。

さらに、流体システムではキャラクターがシーン内の特定ポイントに引き寄せられたり、離れたりしながら自由に移動します。カスタムカーブを設定することで、より自然な流れを演出することも可能です。

中でも注目すべきは「City」システムです。ここでは、キャラクターが食事・睡眠・トイレなどの行動欲求を持ち、まるで『The Sims』のように自律的な生活パターンを示します。

各キャラクターの欲求が設定した閾値に達すると、ベッドやトイレなど適切な場所を自動的に検索し、経路を辿って行動します。

一方、静的なシステムでは動かない群衆を配置できます。スポーツ観戦やライブイベントなどの観客を表現する用途に最適で、スタジアム全体の群衆を生成する専用機能も用意されています。

また、キャラクターを頂点・サーフェス・カーブ上にランダム配置したり、ペイントツールのようにシーン上へ手動で散布することも可能です。

中距離や背景演出に適した3Dキャラクターモデルを標準搭載

iCrowdsには、シーンの中距離や背景演出に最適な3Dキャラクターがあらかじめ用意されています。

記事冒頭に掲載されたデモ映像からも分かるように、本アドオンは建築ビジュアライゼーション、アニメーション制作、ゲーム開発などで背景用の群衆を自然に配置したい場合に非常に有効です。

このツールは、広範囲な群衆表現にも対応しており、多くのシステムで最大10万体のキャラクターを同時にシミュレーション可能とされています(ただし、実際の上限は使用するハードウェア性能やシーンの複雑さによって異なります)。

さらに、iCrowdsには10種類のプリセット3Dキャラクターが含まれており、それぞれにローポリゴン版とハイポリゴン版の2タイプが用意されています。

衣装のバリエーションも豊富で、用途やシーンの密度に応じて使い分けることが可能です。

対応環境と価格情報

iCrowdsはBlenderバージョン4.5以降に対応しており、最新のBlender環境で問題なく動作します。

ライセンスは個別購入制で、価格は19ドルに設定されています。


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