3Dプリンターは、試作品や治具の製造をはじめ、多岐にわたる分野で利用されています。
特に、製品開発におけるプロトタイプ製作では、短期間で実物に近いモデルを作れるため、開発スピードの向上に役立っています。
さらに近年では、性能の高い3Dプリンターが手頃な価格で入手可能になり、個人でも気軽に利用できるようになりました。
その結果、自宅でできるフィギュア制作が身近な趣味として人気を集めています。
家庭用の3Dプリンターを活用すれば、オリジナルのキャラクターモデルを作成し、自分だけのフィギュアを楽しむことができます。
そこでこの記事では、フィギュア制作に必要な3Dデータ作成方法やおすすめの3Dプリンターを紹介します。
・フィギュア制作に必要な3Dデータ作成方法
・3Dフィギュア制作におすすめの3Dプリンター
・フィギュア制作におすすめのレジン『エキマテ』の解説
目次
フィギュアの制作に必要な3Dデータ作成方法
ここでは、フィギュアの制作に必要な3Dデータの作成方法を徹底解説します。
1.3DCADを使ったデータ作成
2.3DCGを使ったデータ作成
3.3Dスキャナーを使って実物から3Dデータ作成
4.ダウンロードサイトから3Dデータを取得
それではここから、1つずつ詳しく紹介します。
1.3DCADを使ったデータ作成
フィギュア制作には、3DCADを使ったデータ作成が欠かせません。
3DCADを使ってモデリングする際は、寸法や角度などのパラメータを設定し、それに基づいて形状を作り上げていきます。
したがって、寸法が決まっているオブジェクトのモデリングには有効なツールとなります。
ただし、3DCADは絵を描くためのソフトではないため、自己交差(面がねじれたり、線が交差するなど)を起こすとエラーが発生することから、自由なデザインを求める方には向いていません。
そのため、仕様に基づいて正確なモデリングを行いたい方におすすめなソフトです。

おすすめの3DCADソフトとしては、「Fusion 360」があります。
これは、Autodesk社が提供する3DCADツールで、使いやすさに定評があり、幾何学的な形状から滑らかなデザインまで対応可能です。
さらに、3DCAD機能に加えて、3DCAM、レンダリング、解析、アセンブリ、2D図面などの機能も備えており、モデリングから仕上げまで一貫して対応できます。
Fusion 360は、月額7,700円(税込)で利用できるため、コストパフォーマンスに優れた選択肢として、3DCADソフトを探している方におすすめです。
2.3DCGを使ったデータ作成
フィギュア制作におすすめなソフト・ツールとして「3DCG」を使ったデータ作成もおすすめです。
このソフトでは自己交差の制約を気にせずにモデリングできる特徴があります。
しかし、操作方法が複雑なため、使用にはある程度の学習が必要です。
そのため、フィギュアなどのリアルな表現を求める方には特におすすめできます。

おすすめの3DCGソフトとして「Blender(ブレンダー)」があります。
Blenderはアニメーション制作にも使用される無償の3DCGソフトで、多様な機能を備えており、モデリングから動画編集まで幅広く対応しています。
モデリング、質感付け、テクスチャのマッピング、ライティング、アニメーション、動画編集ができ、プロフェッショナル品質のアニメーション動画が作成可能です。
関連記事:【2025年1月最新】3DCGソフト『Blender(ブレンダー)』とは?使い方や特徴を徹底解説!
また、ソフトウェアのインターフェースも工夫されており、直感的に操作できると好評です。
さらに、頻繁にアップデートが行われ、最新の技術を常に利用できるのも特徴の一つとして挙げられます。
3.3Dスキャナーを使って実物から3Dデータ作成
フィギュア制作の際は、3Dスキャナーを使って実物から3Dデータ作成する方法があります。
既存のフィギュアを複製・リメイクする際は、3Dスキャナーを使って3Dデータを作成する方法がおすすめです。
3Dスキャナーがあれば、3DCADや3DCGの知識がなくても、実際の物体からデータを取り込んでデジタル化できます。
また、スキャンしたデータは後から編集が可能となっています。
このため、既存のフィギュアをベースにしたデザイン変更や複製には、3Dスキャナーを使った『三次元測定サービス』が便利です。
データの取得だけでなく、穴埋めや修正、ノイズ除去、面の生成なども行ってもらえるため、既成品の3Dデータが必要な方には最適なサービスです。
4.ダウンロードサイトから3Dデータを取得
オリジナルデータにこだわらず、気軽にフィギュア制作を楽しみたい方には、ダウンロードサイトで3Dデータを入手する方法があります。

ダウンロードサイトの検索窓に「フィギュア」と入力すると、多様な3Dデータが表示されます。
ただし、ダウンロードサイトを利用する際には、トラブルを避けるために著作権や商用利用などのライセンス条件を事前に確認することが大切です。
フィギュアの制作におすすめの3Dプリンター5選
ここでは、フィギュアの制作におすすめの3Dプリンターを5つ紹介します。
1.Adventurer4
2.Foto8.9s
3.Creality 3D K1C
4.Creality 3D Halot-Mage
5.Anycubic Photon Mono M5
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.Adventurer4

Adventurer4は、広い造形範囲を持ち、ノズルの交換が可能な高性能FFF方式(熱溶解積層方式)の3Dプリンターです。
項目 | 詳細 |
造形方式 | 熱溶解積層法(FFF方式) |
最大造形サイズ | 幅220mm × 奥行200mm × 高さ250mm |
XY軸移動速度 | 10~150mm/s |
積層ピッチ | 0.05mmから0.4mmまで調整可能 |
造形精度 | 誤差 ±0.1mm |
ノズル | 標準直径0.4mm、最高温度240℃(高温ノズルは265℃対応)、ワンタッチで交換可能 |
対応素材 | ABS、PLA、PC、PETG、PETG-CF |
価格 | 89,500円(税込価格98,450円) |
保証 | 購入後1年間 |
価格は税込98,450円と手頃で、初心者向けのエントリーモデルとして人気があります。
対応するフィラメント素材はPLA、PETG、ABS、PC、PETG-CFなど多岐にわたり、用途や目的に応じた素材選択が可能です。
さらに、タッチパネルを採用した操作性やメンテナンスのしやすさにより、初めて3Dプリンターを使用する方でも安心して利用できます。
購入はこちらから
2.Foto8.9s

Foto8.9sは、リニアガイドとスクリューモーター、さらにクリアランスナットの組み合わせを採用し、高い造形安定性を実現しています。
項目 | 詳細 |
造形方式 | LCDによる光造形方式 |
最大造形サイズ | 幅192mm × 奥行120mm × 高さ200mm |
プリント速度 | 1時間あたり10~50mm |
積層ピッチ | 0.025mmから0.2mmまで調整可能 |
LCDパネル | 解像度4Kのモノクロ表示パネル |
レジントレイ | 容量0.5リットル |
価格 | 89,000円(消費税込み価格:97,900円) |
保証 | 保証期間は1年間 |
これにより、フィギュア製作時の積層痕が目立ちにくく、滑らかで美しい仕上がりが得られるため、高品質なフィギュアを制作したい方におすすめな機種となっています。
LCD方式では、レジンにUVランプを照射して硬化させる仕組みを使用しています。
最新技術を活用することで、UVランプの照射を均一に行い、ムラを最小限に抑えます。
また、直径60ミクロンまでの細かい部分を精密に出力できるため、細部にこだわったフィギュア製作を楽しむ方にもおすすめです。
さらに、消耗品や部品は自社工場で生産および保管しているため、万が一不具合が発生した場合でも迅速に交換対応できます。
Foto8.9sは、予期せぬ不具合や故障があっても安心して長期間利用できるメリットがあります。
3.Creality 3D K1C

Creality 3D K1Cは、家庭用の熱溶解積層方式3Dプリンターの中でも優れた性能を持つモデルです。
項目 | 詳細 |
造形方式 | FDM(熱溶解積層方式) |
本体サイズ | 幅355mm × 奥行355mm × 高さ482mm |
最大造形サイズ | 幅220mm × 奥行220mm × 高さ250mm |
プリント速度 | 最大600mm/秒 |
積層ピッチ | 0.1mmから0.35mm |
LCDパネル | 解像度4Kのモノクロ表示パネル |
価格 | 約90,000円(税込) |
保証 | 保証期間は1年間 |
このプリンターは、カーボンファイバーを配合したフィラメントに対応しており、耐久性の高い部品や固定具の作成を家庭で簡単に行えます。
また、製品は組み立て済みで届くため、購入後すぐに使用可能です。
オートキャリブレーション機能をワンタッチで利用できるため、スムーズに印刷を開始できます。
さらに、本体に内蔵されたAIカメラが、印刷中の異物やエラーをリアルタイムで監視する機能を提供しています。
最大印刷速度は600mm/sに達し、優れた精度を維持しながら短時間で3Dモデルを完成させられる点も大きな魅力です。
4.Creality 3D Halot-Mage

Creality 3D Halot-Mageは、228×128×230mmの広い造形範囲を持つ家庭向けの光造形3Dプリンターで、大型モデルを製作したい方におすすめの製品です。
本製品は、コンパクトなデザインでありながら、広い造形スペースを実現しています。
項目 | 詳細 |
造形方式 | LCD(光造形方式) |
本体サイズ | 幅325mm × 奥行295mm × 高さ570mm |
最大造形サイズ | 幅228mm × 奥行128mm × 高さ230mm |
プリント速度 | 最大170mm/時(高速レジン使用時) |
積層ピッチ | 0.01mmから0.2mm |
LCDパネル | 10.3インチ 8Kモノクロ液晶(解像度7680×4320、XY解像度29.7μm) |
価格 | 約89,000円(税込97,900円) |
保証 | 保証期間は1年間 |
さらに、8Kの高精細パネルを採用しており、微細なディテールまで正確に再現できる特徴があります。
本体にはフリップ式のカバーが搭載されており、片手で簡単に開閉ができる設計となっています。
このカバーは、使用時に場所を取らない特徴があり、紫外線を効果的に遮断することで外部からの影響を防ぎます。
加えて、自社開発のスライスソフトウェアでは、直感的な4つのステップで操作が完結します。
また、複数のプリセットが用意されており、初めて使用する方でもスムーズに扱える設計が魅力です。
5.Anycubic Photon Mono M5

Anycubic Photon Mono M5は、光造形方式を採用した家庭用3Dプリンターで、初心者でも扱いやすい設計が特徴です。
項目 | 詳細 |
造形方式 | LCD(光造形方式) |
本体サイズ | 幅285mm × 奥行256mm × 高さ460mm |
最大造形サイズ | 幅218mm × 奥行123mm × 高さ200mm |
プリント速度 | 最大105mm/時(高速レジン使用時) |
積層ピッチ | 0.01mmから0.2mm |
レジントレイ容量 | 約0.5ℓ |
価格 | 約89,000円(税込97,900円) |
保証 | 保証期間は1年間 |
本モデルは、専用アプリを利用してスマートフォンから簡単に操作でき、ワンタッチで印刷が開始できます。
さらに、STLファイル形式に対応しており、初心者向けのチュートリアルも用意されているため、初めての方でも安心して利用できます。
ディスプレイ解像度は12Kに対応しており、精密で緻密な造形が可能です。
また、デュアルリニアレールによる安定した動作構造が採用されており、印刷精度の向上を実現しています。
プリントベースにはレーザー彫刻技術を取り入れており、モデルの密着力を高め、反りの発生を抑える効果があります。
フィギュアの制作におすすめのレジン『エキマテ』の特徴
精巧なフィギュアを作りたい方にはレジンが適していますが、化学物質が含まれるため、慎重な取り扱いが求められます。
そこでFLASHFORGEでは、レジンの欠点を克服した製品「エキマテ」を提供しています。
この製品は、FLASHFORGE製の光造形3Dプリンターにも対応しており、安心して使用できる特徴があります。
1.有害な化学物質不使用で安心して扱える
2.下水道に液体を捨てられる
3.水溶性で汚れを簡単に拭き取れる
ここでは、フィギュア制作におすすめのレジン『エキマテ』の特徴を徹底解説します。
1.有害な化学物質不使用で安心して扱える
エキマテは、ベンゼンやアンチモンなど、人体に悪影響を及ぼす化学物質を一切使用していないため、安心して使用できます。
一般的なレジン製品には化学物質が含まれていることが多く、これが原因で触れるとアレルギー反応を引き起こす場合があります。
一方で、エキマテはこれらの化学物質を含まないため、アレルギーのリスクがなく、安全に使用できるのが特徴です。
そのため、レジンアレルギーを心配する利用者からも高い支持を得ている商品となっています。
2.下水道に液体を捨てられる
エキマテは、下水道に液体をそのまま捨てられる特徴があります。
エキマテの洗浄方法はとても簡単で、水道水と台所用洗剤を使って洗った後、その洗浄液を下水道へ流すだけで済みます。
通常、同様の製品では化学廃棄物として特別な処理が必要であったり、完全に硬化させた上で家庭用ゴミとして処分する必要があります。
しかし、エキマテには有害な化学物質が含まれていないため、液体のまま下水道に流しても安全です。
3.水溶性で汚れを簡単に拭き取れる
エキマテは水溶性のレジン素材でできているため、ベタつくことはありません。
万が一、手に付着してしまった場合でも、通常の手洗いで簡単に洗い流せます。
また、床にこぼれてしまっても拭き取りやすく、掃除が簡単な特徴があります。
エキマテは、汚れを気にせず、安心してモノづくりを楽しめます。
まとめ
この記事では、フィギュア制作に必要な3Dデータ作成方法やおすすめの3Dプリンターを詳しく紹介しました。
また、フィギュア制作におすすめのレジン『エキマテ』の特徴も徹底解説しています。
3Dプリンターでフィギュアを製作するには、機器や材料だけでなく、元となる3Dデータが必要です。
3DCADや3DCGソフトを使いこなせない場合でも、3Dモデルをダウンロードできるサイトを活用したり、初心者でも簡単に操作できるソフトを試したり、3Dスキャンサービスを利用するなど、データを準備する手段はいくつかあります。
また、3Dプリンターの導入が難しい場合には、外部の3Dプリントサービスを利用するのも有効な方法です。
このように、フィギュアの作成には多様な手段があるため、自分に合った方法で制作を進めましょう。

3Dモデル制作サービス『モデリー』では、納得の価格、安定の品質であらゆる3Dデータを提供します。まずはお気軽にご相談ください。

3Dプリントが3日で届くサービス『3Dayプリンター』も展開しています。3Dモデリングから3Dプリント・塗装など後加工までサポートします。