3Dモデルは、設計などに使われる「3D CAD」によるモデル、そしてアニメーションなどの映像作品や静止画作品などに使用される「3D CG」モデルの大きく2つの種類に分けられます。
しかし、3DCGには建築デザイン、キャラクター制作、アニメーションなど様々な用途があり、使用目的に応じて必要な機能が異なるため、ソフト選びに迷う方が多いのが現状です。
そこでこの記事では、「3DCGモデル」の作成におすすめのソフト(DCC)8選を紹介します。
・3DCGアニメーションの概要
・3DCGアニメーションと2Dアニメーションの違い
・3DCG制作ソフトの選び方
・3DCG作成におすすめのソフト8選
この記事の監修者3DCGゼネラリスト / 3Dモデラー
独学で3DCGを学び、フリーランスの背景モデラーとしてゲーム業界のコンシューマータイトルに多数参加。加えて、TV・Web広告、AR/VRコンテンツなど、幅広い分野での制作実績を持つ。
DCCツールはMayaおよびBlenderに精通。ハードサーフェスからキャラクターモデリングまで対応し、フォトリアルからノンフォトリアルまで幅広い表現に対応できるスキルを有する。現在は3DCGゼネラリストとして、すべての工程を一貫して担当。
3DCGアニメーションとは?2Dアニメーションとの違い

3DCGアニメーションとは、コンピュータグラフィックス(CG)を用いて制作されるアニメーションの形式で、デジタル空間内でキャラクターや背景を作成し、まるで生きているかのようなキャラクターや物体の動きを表現するアニメーションを作り出します。
3DCGアニメーションは、映画、テレビアニメ、ゲーム、CMなど、様々な分野で活用されています。
近年では、技術の進歩により、よりリアルで高品質な映像表現が可能になり、その表現力はますます向上しています。
対して、2Dアニメーションは従来の手描きアニメーションで、キャラクターや背景を2次元の平面に描き、フレームごとに手作業で動きを表現します。
2Dはあたたかみやコミカルな表現が得意で、3Dはリアルで立体的な表現に優れています。
3DCG制作ソフト4つの選び方
ここでは、3DCG制作ソフトを選ぶ際のポイントを紹介します。
1.使っている人が多いソフトを選ぶ
2.目的に合った機能で選ぶ
3.入りたい企業が使っているソフトを選ぶ
4.取引先のソフトに合わせる
5.ライセンスで選ぶ
それではここから、3DCG制作ソフトの選び方を1つずつ解説します。
1.使っている人が多いソフトを選ぶ

これから3DCG制作を始めようという初心者の方には、「利用者が多いソフト」を選ぶことをおすすめします。
というのも、ユーザーが多いソフトは、それだけネット上や書籍に情報が豊富にあり、操作方法や使い方の解説も充実しています。わからないことが出てきても、GoogleやYouTubeで調べれば、ほとんどの疑問はすぐに解決できることが多いんです。
また、バグや不具合に関する情報も、SNSやコミュニティサイトで共有されていることが多く、トラブルにも対応しやすいというメリットがあります。
こうした理由から、3DCG初心者の方には「シェア率の高いソフト」を選ぶことを強くおすすめします。
著者おすすめ:シェア率の高い3DCGソフト
※あくまで筆者の独断による選出ですが、以下のソフトは特にユーザー数が多く、情報も豊富です。
・Maya
・3ds Max
・Blender
この3つはすでにネット上に大量のチュートリアルや解説記事が存在しているため、比較的スムーズに習得が可能です。
一方で、最近人気が高まってきているHoudiniは、非常に高機能で魅力的なソフトではありますが、構造が独特で、初心者にはややハードルが高めです。また、他のソフトに比べると情報の数もまだ少なめなので、習得にはある程度の覚悟が必要かもしれません。
3DCGは奥が深い世界ですが、最初のソフト選びで挫折しないように、「使っている人が多いソフト」を選ぶのが成功の近道です。
2.目的に合った機能で選ぶ
3DCG制作ソフトを選ぶ際は、各ソフトが得意とする機能や特性を理解し、自分の目的に合ったものを選ぶことが大切です。たとえば、フィギュアの原型制作など、細かな造形や彫刻表現を重視する場合には「ZBrush」のようなスカルプトソフトが向いています。一方で、映像やゲーム制作でポリゴンモデリングを行いたい場合は、「Maya」「3ds Max」「Blender」といった統合型のソフトがおすすめです。これらのソフトは、モデリングだけでなくアニメーションやレンダリングなど、幅広い機能を備えており、さまざまな制作に対応できます。
映像作品を作る場合には、仕上がりのテイストを左右するレンダラーの選定もポイントになります。多くのソフトでは標準レンダラーが搭載されていますが、外部プラグインとして好みのレンダラーを組み込むことも可能です。リアルな質感を求めるなら「V-Ray」や「Arnold」、高速で美しい描画が必要なら「Redshift」など、目的に応じた選択が重要になります。ただし、使いたいレンダラーが選んだソフトに対応しているかどうかは、事前に確認しておく必要があります。
また、モーショングラフィックスのような動きのあるグラフィカルな映像を作成したい場合には「Cinema4D」が適しています。直感的な操作性と豊富なエフェクト機能が備わっており、After Effectsとの連携にも優れているため、映像制作の現場でも広く使われています。
リアルな流体シミュレーションや爆発、破壊表現など、より複雑でダイナミックなVFXを作りたい場合には「Houdini」が強力な選択肢となります。Houdiniはプロシージャルな構造を持ち、複雑な処理をノードベースで組み上げることができるため、映画やゲーム業界での高度な演出に適しています。ただし、その分習得には時間がかかり、ある程度のPCスペックも必要になるため、初心者よりも経験者向けのソフトと言えるでしょう。
このように、3DCGソフトにはそれぞれ得意分野があるため、自分が「何を作りたいのか」「どんな表現をしたいのか」を明確にしたうえで、それに合ったソフトを選ぶことが、スムーズに制作を進めるための大切なポイントになります。
3.入りたい企業が使っているソフトを選ぶ
学生が3DCG制作ソフトを選ぶときには、将来入りたい企業で実際に使われているソフトを基準に選ぶと、学習へのモチベーションが高まり、より意欲的に取り組めるようになります。そのためには、まず志望する企業がどのソフトを使用しているのか、事前に情報収集を行うことが大切です。企業の求人情報や公式サイト、業界誌やネット上の特集記事、関連書籍などから、意外と多くのヒントが得られることがあります。
もし、企業がどのソフトを使っているのかはっきりわからない場合でも、「Maya」「3ds Max」「Blender」のいずれかを習得しておけば、ある程度幅広い分野に対応できるため安心です。これらのソフトは多くの企業や制作現場で使用されており、基本的な操作や考え方は他のソフトにも応用が効きやすいという利点があります。
ただし、就職活動においては、単にソフトが使えるというだけで評価されるわけではありません。デッサン力やデザインの基礎、構成力、観察力といった総合的な表現力やセンスも重視されることが多いため、3DCGの技術だけでなく、基礎的なアートスキルもあわせて磨いておくことが大切です。
4.取引先のソフトに合わせる
納品を行う側の企業が3DCG制作ソフトを選ぶ際は、基本的に取引先の企業が使用しているソフトに合わせることが一般的です。3DCGには「obj」や「fbx」などの中間フォーマットも存在しますが、こうした形式を介したやり取りでは、データの変換によって不具合が起きるリスクもあります。そのため、可能な限りソフトのネイティブファイル形式でやり取りを行うのが理想的とされています。
また、ソフトの種類だけでなく、使用しているバージョンを取引先と揃えることで、表示や動作のズレ、互換性の問題などを防ぐことができます。もちろん、場合によっては例外もありますが、基本的にはこの点を意識しておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
そのため、取引を開始する前に、使用ソフトやそのバージョンについて事前に確認しておくことが非常に重要です。円滑な制作進行と信頼関係の構築のためにも、こうした情報共有は欠かせないポイントとなります。
5.ライセンスで選ぶ
3DCG制作ソフトを選ぶ際には、ソフトそのものの機能だけでなく、購入の目的や使用状況に応じたライセンス選びも非常に重要です。通常の業務で使用する場合は、一般的に標準の商用ライセンスを契約することになりますが、ソフトによっては特定の条件を満たすことで、価格を抑えたライセンスプランが用意されていることもあります。該当する場合は、そういったお得なプランを活用するのが賢明です。
たとえば学生であれば、Autodesk社の提供する「Maya」や「3ds Max」などのソフトを、学生向けプログラムを通じて最大3年間無料で利用することができます。また、「Cinema4D」や「ZBrush」を提供しているMaxon社でも、学生向けに割引価格でのライセンス提供を行っているため、必要に応じてこうしたプランを活用するのがおすすめです。
一方で、コストをかけずに3DCGを始めたいという方には、完全無料で使えるフリーソフト「Blender」が非常におすすめです。オープンソースでありながら、モデリング、アニメーション、レンダリング、シミュレーションまで幅広く対応しており、有料ソフトに引けを取らないほど高機能です。使いこなせば、商用レベルの作品も十分に制作可能なので、初心者からプロ志向の方まで幅広く支持されています。
3Dデータ作成サービス Modely(モデリー)

3DCG制作を検討されている方におすすめしたいのが、弊社の3Dデータ作成サービス「モデリー」です。モデリーでは、国内の経験豊富な3Dデザイナーが手がけることで、高品質な3Dデータを安定してご提供しています。
さらに、専門知識を持つディレクターが企画段階からしっかりとサポート。漠然としたイメージやアイデアの段階からでも、具体的な形に落とし込むための提案力や企画力にも自信があります。制作の流れでわからないことがあっても、丁寧に相談できる体制が整っているため、3DCGに詳しくない方でも安心してご利用いただけます。
・映像、ゲーム、AR/VR etc 幅広い用途に対応
・クイックレスポンス
・経験豊富なプロの3Dデザイナーが制作
・豊富な制作実績
・サポート、サービスが優れている
・各種ゲームエンジンに対応
・様々なDCCツールに対応
モデリーは、以下のようなケースにおすすめです。
・高品質なモデリング、テクスチャリングを求めている
・社内リソースが足りない
・3Dの知識がないが、3Dデータを作ってほしい
・3Dについて企画段階で相談したい
・デジタルツインを作成したい
・ゲームエンジンを使ったプロジェクトを検討している
ゲーム、映像を始め、VTuberやAR/VR他幅広い用途に対応し、最適な3Dデータを作成します。

3DCG作成におすすめのソフト8選
ここでは、3DCG作成におすすめのソフト8選を紹介します。
1.Maya(マヤ)
2.3ds Max(スリーディーエスマックス)
3.Cinema 4D(シネマフォーディー)
4.Blender(ブレンダー)
5.ZBrush(ズィーブラシ)
6.Houdini(フーディニ)
7.Lightwave 3D(ライトウェーブスリーディー)
8.Shade 3D(シェードスリーディー)
それではここから、3DCG作成におすすめのソフトを1つずつ解説します。
3DCG制作が初めての方からベテランまで、全層におすすめのサービスを提供します。
1.Maya(マヤ)

Mayaは、オートデスク社が提供する高機能な3DCGソフトウェアです。
本ソフトウェアは、モデリング、アニメーションなどの強力な統合ツールセットを備えており、ゲーム・VFXなどに幅広く利用されています。
同ソフトは、映画・ゲーム・アニメーション業界を中心に、世界中のプロフェッショナルから高い評価を受けている3DCGソフトウェアです。モデリング、アニメーション、リギング、レンダリング、エフェクト制作まで、あらゆる工程をひとつの環境でカバーできる統合型ツールセットを備えています。
特に、キャラクターアニメーションや複雑なリグ設定においては圧倒的な表現力を誇り、多くのVFXスタジオやゲーム開発現場で標準ツールとして導入されています。映画『アバター』や『アベンジャーズ』シリーズなど、ハリウッドの大作でも活用されている実績があります。
Mayaは、習得にある程度の学習時間を要する反面、その分だけ高度で自由度の高い表現ができることが魅力です。3DCGに真剣に取り組みたい方にとって、確実に選択肢に入るソフトウェアといえるでしょう。
バージョン2022からは、Bifrostがバージョン2.0にアップデートされ、Bifrost Graphというノードベースのビジュアルプログラミング環境が追加されました。これにより、流体、煙、炎などのシミュレーションが強化され、爆発や破壊、パーティクル(粒子)の制御もノードを使って簡単に行えるようになりました。
また、『AutodeskによるCG、映像の情報発信サイト「AREA JAPAN」の公式YouTube チャンネル』では、Mayaの基本操作やインタフェースの概要など詳しく解説しているので学習の参考にすると良いでしょう。
MayaにはIndieライセンスが用意されており、条件を満たすユーザーは、通常よりも低価格で契約することが可能です。Indieライセンスでも、機能面に差はなく、フル機能を利用することができます。
- Maya Indieの対象条件(詳しくは公式サイトをご確認ください)
- クリエイティブ制作による年間総収入が 1,500 万円未満であること
- 10 万米ドルを超えるプロジェクトでライセンスを使用することはできない
- 1 ユーザーまたは 1 組織につき 1 本のライセンスのみを使用すること
Maya(マヤ)
価格:3万6300円(税込)/1ヶ月〜(サブスクリプション制。最初の30日は無料で使用可能。また学生版は無償で3年間利用可能)
ダウンロードはこちらから
Maya Indie(マヤ インディー)
価格:4万7300円(税込)/1年〜(サブスクリプション制)
ダウンロードはこちらから
2.3ds Max(スリーディーエスマックス)
出典:(C)2019 Autodesk Inc.
3ds Max(スリーディーエス マックス)は、Mayaと同じくAutodesk(オートデスク)社が開発・提供している3DCGソフトウェアです。特に建築ビジュアライゼーションやアニメーション制作の分野で幅広く使われており、日本国内でも長年にわたり多くのユーザーに支持されています。
3ds Maxには、人型キャラクターのアニメーション制作を効率化する「Biped」機能が搭載されており、複雑なボーン設定を行わずに歩行や走行といった動作を手軽に作成できます。キャラクターアニメーションの制作時間を大幅に短縮できるため、ゲームや映像制作の現場でも重宝されています。
さらに、AutoCADなど他のCADソフトとの互換性も高く、設計データとの連携がスムーズに行えるため、建築・インテリア・プロダクトデザイン分野では特に重宝されています。
ただし、対応OSはWindowsのみとなっており、Macユーザーは注意が必要です。
建築パースや広告用のビジュアル制作はもちろん、映像やゲームの分野でも活用されている3ds Max。幅広い用途に対応できる柔軟性と、高度な表現力を兼ね備えたこのソフトは、本格的な3DCG制作に取り組むクリエイターにとって、心強い味方となるでしょう。
3ds MaxにもMayaと同じくIndieライセンスが用意されています。該当する人は利用すると良いでしょう。
- 3ds Max Indieの対象条件(詳しくは公式サイトをご確認ください)
- クリエイティブ制作による年間総収入が 1,500 万円未満であること
- 10 万米ドルを超えるプロジェクトでライセンスを使用することはできない
- 1 ユーザーまたは 1 組織につき 1 本のライセンスのみを使用すること
3ds Max(スリーディーエスマックス)
価格:3万6300円(税込)/1ヶ月〜(サブスクリプション制。最初の30日は無料で使用可能。また学生版は無償で3年間利用可能)
ダウンロードはこちらから
3ds Max Indie(スリーディーエスマックス インディー)
価格:4万7300円(税込)/1年〜(サブスクリプション制)
ダウンロードはこちらから
3.Cinema 4D(シネマフォーディー)

Cinema 4D(シネマ・フォー・ディー)は、ドイツのMaxon社が開発している3DCGソフトウェアです。直感的な操作性と安定した動作、そしてモーショングラフィックスとの親和性の高さから、デザイナーや映像クリエイターを中心に世界中で支持を集めています。
C4D最大の魅力は、その操作のしやすさと学習コストの低さにあります。3Dソフトが初めてという方でも入りやすく、複雑な設定や工程をなるべくシンプルに処理できるよう設計されているため、短期間で成果物を作ることが可能です。
特にAfter Effectsとの連携がスムーズで、2Dと3Dの融合表現を手軽に実現できる点は、モーショングラフィックスを制作する現場では大きな強み。さらに、モデリング・アニメーション・レンダリングなど基本機能はもちろん、ノードベースのマテリアル編集やシミュレーション機能も充実しており、プロフェッショナルな現場にも十分対応できます。
また、Redshiftなどの高性能レンダラーとも統合されており、リアルな質感表現や高速なレンダリングも可能。近年ではVFXやゲームの分野でも活用が進んでいます。
クリエイティブな表現を3Dで手軽に実現したい方にとって、Cinema 4Dはとても心強い選択肢です。
Cinema 4D(シネマフォーディー)
料金:13万4640円(税込)〜
製品公式ページ
4.Blender(ブレンダー)

Blenderは、完全無料で使えるオープンソースの3DCGソフトウェアで、世界中のクリエイターから絶大な支持を受けています。モデリング・アニメーション・レンダリング・VFX・動画編集など、あらゆる機能が一つのソフトに統合されており、これ一つで本格的な3DCG制作が可能です。
特に注目すべきは、「無料=機能が少ない」という常識を覆す圧倒的な多機能ぶり。フォトリアルなレンダリングが可能な「Cycles」や、リアルタイム描画が得意な「EEVEE」、ノードベースで柔軟な操作ができる「ジオメトリノード」など、商用ソフト顔負けの機能が多数搭載されています。
近年では、映画やゲーム制作の現場でも採用例が増えており、プロフェッショナルなツールとしての信頼性も高まっています。また、世界中のユーザーが開発に関わっているため、アップデートの頻度が高く、最新技術への対応も非常に早いのが特徴です。
さらに、有料・無料を問わず豊富なアドオンが存在し、自分の制作スタイルに合わせて機能をカスタマイズできる点も大きな魅力です。チュートリアルや情報もネット上に数多く公開されており、独学でも学びやすい環境が整っています。
3DCGにこれから挑戦したい方から、コストを抑えてプロレベルの制作環境を構築したい方まで、Blenderはすべてのクリエイターにおすすめできる強力なツールです。
Blender(ブレンダー)
価格:無料(ドネーションウェア・寄付制)
ダウンロードはこちらから
5.ZBrush(ズィーブラシ)

ZBrush(ズィーブラシ)は、もともとPixologic社が開発し、現在はMaxon社が提供している3DCGソフトウェアです。最大の特徴は、まるで粘土をこねるように立体を作っていく「スカルプト」スタイルのモデリング。これにより、従来のポリゴン編集では難しい繊細で有機的なディテールを、直感的かつ自由に表現することができます。
人物やクリーチャーなどのキャラクターモデリングに特化したソフトとして、映画・ゲーム・フィギュア制作の現場でも広く使われており、業界標準のツールとして確固たる地位を築いています。超高密度なメッシュ(ハイポリゴン)を扱うことが可能で、他のソフトでは処理が難しいような細かい表現にも対応できるのがZBrushの強みです。
スカルプト機能に加えて、ノーマルマップやディスプレイスメントマップの生成にも対応しており、他の3DCGソフトとの連携もスムーズです。また、リトポロジー(ポリゴンの再構築)やUV展開、ポリペイントといった機能も備えており、特定の工程ではかなり幅広く活用できる設計になっています。
なお、ZBrushは一般的な3DCGソフトとは異なり、GPUではなくCPUで処理を行う設計となっている点も特徴的です。
以前は廉価版の「ZBrush Core」も販売されていましたが、2025年現在は提供が終了し、代わりに機能限定の無料版「ZBrush Core Mini」が利用可能です。まずは手軽にZBrushの世界を体験してみたい方におすすめです。
ZBrush(ズィーブラシ)
料金:6万9740円(税込)/1年~
購入はこちらから
ZBrush Core mini(ズィーブラシ コア ミニ)
料金:無料
ダウンロードはこちらから
6.Houdini(フーディニ)

Houdini(フーディニ)は、カナダのSideFX社が開発する3DCGソフトウェアで、VFXやゲーム業界を中心に、プロフェッショナルから高く評価されているツールです。特に、映画やCMで見かけるような爆発・炎・煙・流体などの高度なシミュレーション表現においては、業界トップクラスの性能を誇ります。
最大の特徴は、完全なノードベースによるプロシージャルワークフロー。これにより、作業内容を非破壊的に管理でき、後から変更や調整がしやすい柔軟な制作が可能になります。街や地形、植物、建築物などの自動生成も得意で、繰り返しの多い作業や大規模なシーン構築でも力を発揮します。
Houdiniはその高度な機能性から、ハリウッド映画などのVFX、AAAゲームタイトルなど、最前線の制作現場で使われることも多く、映像業界ではもはや欠かせない存在となっています。
学習には多少の時間を要しますが、それに見合うだけの表現力と作業効率が得られるのが魅力です。個人向けには無料で使える「Apprentice版」や、商用利用可能な「Indie版」なども用意されており、はじめやすい環境も整っています。
高度で自由度の高い3DCG制作を追求したい方にとって、Houdiniはまさに“魔法のような”強力な選択肢となるでしょう。
- Houdini FX:制限なし商用ライセンス
- Houdini CORE:機能制限付き商用ライセンス
- Houdini Indie:制限付き商用ライセンス
- Houdini Apprentice:制限なし無料版(商用利用不可)
Houdini(フーディニ)
価格:ライセンスにより変動
ダウンロードはこちらから
7.Lightwave 3D(ライトウェーブスリーディー)

LightWave 3D(ライトウェーブ 3D)は、NewTek社が開発した3DCGソフトウェアで、過去に映画やテレビ、ゲーム業界で広く使用されてきたツールです。高精度なレンダリングやアニメーション制作に強みを持っています。
最大の特徴は、モデリング専用の「Modeler」とレンダリング・アニメーションを担当する「Layout」というモジュール分け。これにより、作業の効率化を図っていますが、統合型のソフトウェアが主流となった現代では、やや使いづらさを感じるかもしれません。
それでも、高精度なレンダリングやアニメーションを必要とするプロジェクトには依然として有用であり、特に特定のワークフローを必要とするユーザーや、LightWaveの特徴に魅力を感じるクリエイターにはおすすめできるツールです。過去に多くのプロジェクトで実績があるだけに、その信頼性は保証されています。
Lightwave 3D(ライトウェーブスリーディー)
価格:16万8000円(税込)〜
購入はこちらから
8.Shade 3D(シェードスリーディー)

Shade 3Dは、株式会社フォーラムエイトが現在開発を行っている日本製の3DCGソフトウェアです。モデリングからレンダリング、アニメーションまで幅広く対応できる統合型ツールで、直感的な操作性と日本語によるサポートの手厚さから、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層に支持されています。
Shade 3Dの歴史は長く、かつてはエクス・ツールス(2003年まで)、イーフロンティア(2013年まで)、Shade3D社(2018年まで)と、いくつかの企業で開発が引き継がれてきた経緯があります。長年にわたる開発と改良を経て、現在のフォーラムエイトによる体制では、建築や土木、VR、CG制作分野にも応用できる、より実務的な機能が強化されています。
モデリング機能は、ポリゴン、NURBS、スカルプトと幅広く対応し、柔軟なモデリングが可能です。また、物理ベースのレンダリングエンジンを搭載しており、リアルな質感表現やライティングも行えます。アニメーション制作にも対応しており、映像制作やプレゼンテーション用途でも活躍できます。
また、かつて話題となった3Dバーチャルアイドル「テライユキ」もShade 3Dを用いて制作されたことで知られています。これは、当時としては非常に高いクオリティの3D表現であり、Shade 3Dのポテンシャルを広く知らしめた象徴的な事例です。
一方で、現在の3DCG業界全体で見ると、Shade 3Dのシェア率は他の主要ソフト(Blender、Maya、3ds Maxなど)に比べて少ないのが現状です。特に海外では知名度が低く、国際的なプロジェクトや他ツールとの連携面でやや不利な部分もあります。
それでも、日本国内においては根強いユーザー層が存在し、建築・設計分野などを中心に活用が続いています。日本語対応やサポートの手厚さ、操作のわかりやすさを重視する方にとっては、選択肢に入るソフトウェアと言えるでしょう。
Shade 3D(シェードスリーディー)
価格:ライセンスにより変動
購入はこちらから
まとめ
本記事では、3DCG制作ソフトの選び方や3DCG作成におすすめのソフト8選を紹介しました。
・3DCGアニメーションは、まるで生きているかのようなキャラクターや物体の動きを表現するアニメーションを作り出せる
・3DCG制作ソフトを選ぶ際には、使用目的や機能、ライセンス、シェア率で選ぶのがおすすめ
かつては数十万はかかっていました3DCG作成ソフトですが、今では無料〜数万円程度でも高機能なソフトを個人でも使えるようになっています。
また、3DCG制作ソフトを選ぶ際は、使用目的に合わせて様々なタイプのソフトを選ぶのがおすすめです。
さらに、初心者の方などは「MAYA」や「3DS MAX」、「Blender」など、情報が簡単に見つかる人気のソフトを選びましょう。
ここで紹介した多くのソフトが無料体験版が用意されているので、試してみて自分にあったソフトを見つけてみてください。

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