2019年10月7日、アイウエアの企画製造を手がける株式会社ジンズは、3Dプリンタによるラティス構造の造形品を用いた世界初のサングラス「Neuron4D(ニューロンフォーディー)」を発表しました。革新的な3Dプリンティング技術を持つ米国企業、Carbon社とのパートナーシップによって実現された製品です。
「ラティス構造」の造形で快適なフィット感を実現
「Neuron4D」の特徴は、テンプル(メガネのつる)の内側に3Dプリンタによる造形品が使われていること。枝状に分岐した格子が周期的に並ぶ「ラティス構造」を採用し、0.1mm単位で格子の柱の太さに調整を施すことで、耳にかかる部分に向かうほど柔らかくなる「硬さのグラデーション」を実現しました。
頭の形に合わせて変形するクッション性と、多くの空洞による通気性を兼ね備えたテンプルは、これまでにない快適なフィット感をもたらすといいます。動いてもずれにくく蒸れにくいため、アクティブなシーンでの利用が想定されているようです。
米国Carbon社の3Dプリント技術
「Neuron4D」の開発に深く関わったCarbon社は、シリコンバレーに拠点を持つテック企業。ソフトウェア・ハードウェア・材料科学分野を横断し、ポリマー製品の開発から納品までを幅広く手がけています。
Carbon社の3Dプリンティング装置には、紫外線硬化樹脂を用いた光造形方式をベースにした独自の方式「Digital Light Synthesis」が採用されています。造形スピードは従来方式の25〜100倍となり、造形物には積層の跡も残りません。
一般に3Dプリントで作られるものの多くは、プロトタイプや一品生産物として利用されてきました。しかし、素早い造形と美しい仕上がりを兼ね備えたCarbon社の技術によって、3Dプリントによる最終製品の量産が可能になりつつあります。
3Dプリントで作られる最終製品
今回発表された「Neuron4D」以外にも、Carbon社の技術を用いた量産品はたくさん存在します。
adidasが販売しているのは、ミッドソールを3Dプリントで製造したランニングシューズ。アスリートのデータから綿密に調整された構造は、優れたサポート性とクッション性で足元をしっかりとサポートします。
スポーツ用品メーカーRiddelは、アメフト選手が使うヘルメットの衝撃吸収材にCarbon社の技術を活用しています。選手の頭部のスキャンデータからつくられた形状にラティス構造を適用し、高い安全性と快適性を実現しました。
3Dプリントならではの構造を生かす
サングラス、ランニングシューズ、ヘルメットなど、多くのプロダクトに3Dプリントされた部品が採用され始めています。単純に製造方法を置き換えただけでなく、3Dプリントでしか作れない構造によって生み出される付加価値にも注目してみましょう。
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