今月2017年6月の5〜9日に、アップルの開発者向けの発表会「WWDC2017」が開催されました。
そこで、アップルがARアプリの開発フレームワークである「ARKit」を発表とのこと。ARに力を入れていることをオープンにしました。
そこで本日は「既存のARプラットフォームとどう違うの?」という疑問や、「結局なにができるんだ?」という点に関して、解説します。この記事を読めば、今後の「ARKit」の狙いがわかるはず!
「ARKit」とは?
「ARKit」は、iPhoneやiPad(iOS)で動作するARアプリを開発するためのフレームワークです。
ARアプリを一から開発するとなると非常に大変ですが、このフレームワークを利用すると、モーショントラッキング・地面の検出・スケールや光の検知といった基本的なARに必要な機能を簡単に構築できるというわけです。さらに、iOS11以降で標準で搭載されているため無料で利用できます。
「ARKit」の強みは?
「ARKit」は画像認識だけでなくiPhoneなどの端末のセンサーを駆使するため、空間認識の力が優れており、ARマーカーなしでARを利用できます。この空間認識力が強みだと「WWDC2017」では発表されていました。しかし、他のAR開発ライブラリと比べ、本当に空間認識能力が高いのでしょうか。
現状では答えはNOだと言えます。
今のARKitでは、地面や机の上といった水平面しか認識できず、壁や置いてある物を認識できません。そのため、空間の認識能力ではHoloLensやTangoの方が上だと言えます。
では、ARKitの強みはどこにあるのでしょうか。
それはiOS11以降を搭載した機種で、具体的には「iPhone 6s以降のiPhone、iPad Pro、第5世代以降のiPad」で特別なハードの追加がなく標準的に動作できるという点です。
これらの機種はもう既に世界に十分なほど浸透しています。これらの標準デバイスとしてのプラットフォーム戦略が最大の強みだと思います。
みんなが持っている機種に最適化した状態でARアプリをアプローチできるので、「ARKit」というプラットフォームで開発が活性化されるであろうことは目に見えてます。
「ARKit」の今後の狙い
「ARKit」の今後の狙いとしては、まずは空間の認識能力を改善していき、誰もが自然に持っている標準的なARデバイスという立ち位置を獲得することでしょう。
また、Unity や Unreal Engine といった主要ゲームエンジンのサポートもしており、すでにプラグインが配布されています。どんどんいろいろなアプリが出てくるのが楽しみですね!
早くも広がる開発事例
発表されてからまだ2週間ほどですが、既にIKEAとAppleが共同で家具のARアプリを開発しているという発表がありました!
既にIKEAはARサービスをやってますが、カタログをマーカー代わりに使用するというものです。今回の開発で空間認識でマーカーレスでの対応になると思われます。
またその他にもyoutubeに多くの「ARKit使ってみた」の投稿が見られるようです。
今後非常に楽しみなサービスですね。AppleがARに関して、ここまで具体的に進めていたとは驚きです。また新しい発表があれば、お知らせしていきます。
それでは!
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