今回は、世界各国にある3Dプリント事業を扱う企業の最新ニュースを紹介します。日本のほか、アメリカやフィリピンでも積極的に3Dプリントに関する取り組みがおこなわれているようです。
インスタリムが総額8400万円の調達を発表。フィリピンで3Dプリント義足事業を開始
3Dプリンティングや機械学習技術を活用して低価格な3Dプリント義肢装具を開発している日本のスタートアップ企業、インスタリムが慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)およびディープコアへの第三者割当増資により、総額8400万円の資金調達を実施したことを発表しました。
これによって、フィリピンのマニラ首都圏で設立した現地法人を通じ、3Dプリントによる膝下義足事業を本格的にスタート。3Dプリントによる大腿義足などの新製品の研究開発も進められています。
今回のフィリピンでの事業開始は、フィリピン大学総合病院と共同で3Dプリント膝下義足の実証実験進めてきた成果です。被験者50名に対する実生活試用などの各種テストや製造プロセスの検証を完了し、製品化準備を完了させました。
米・カーボンが280億円を調達、開発加速が期待される
アメリカの3Dプリンターのスタートアップ企業カーボン(Carbon)が2億6000万ドル(約279億円)以上を調達したことが発表されました。
カーボンの評価額は24億ドルを超え、ベンチャーキャピタルの支援を受ける3Dプリンター関連企業では最高額となりました。今後は株式公開により、市場での資金調達を目指すと見込まれています。
カーボンと言えば、アディダスとの提携でも話題になりました。格子構造で軽量であることが特徴の素材にエラストマーを使ったアディダスのミッドソールは、3Dプリント技術でしか製造できない非常に特別なもの。昨年、このミッドソールをおよそ10万個生産しました。
新たに調達した資金により、同社は研究開発にさらに力を入れていく方針。欧州やアジアなど、米国以外の市場での事業拡大を目指しています。特に注目している分野は、3Dプリンター技術を用いたリサイクルと堆肥化が可能な素材の開発だと言われています。
マイクロボード・テクノロジーが「Afinia H」の最新版「Afinia H+1」をリリース
3Dプリンターやラベルプリンター、CD・DVD製品などを扱う日本企業、マイクロボード・テクノロジーが、3Dプリンター「Afinia(アフィニア) H」の最新版「Afinia H+1」をリリースしました。
Afinia H+1の特徴は、材料ごとの出力をサポートする3種類のプリントヘッドを搭載している点です。ABS、PLA、TPU専用のヘッドをそれぞれの対応材料と併用し、より安定した造形が可能。
また、造形に合わせたノズル径を選択することもできます。0.4mm径に加え、0.2/0.5/0.6mm径に対応。各ノズル径用の設定(プロファイル、積層ピッチなど)はソフトで用意されているため、利用する際に個別設定は不要です。
定評のあったABS造形品質はさらに向上。ABSフィラメントの品質向上に加え、ソフトの改善によるラフトやサポートの向上、ヒーター/プラットフォーム/フィルターの改良が図られており、より精緻な造形が可能となりました。
新たにクローズド型のチェンバーとヒートベッドプラットフォームを採用。閉じられた構造で空気清浄用のデュアルフィルター(HEPAフィルター/カーボンフィルター)も搭載されているため、オフィスや教育現場でも安心して利用できます。
まとめ
今回紹介した3社のうち2社は資金調達に成功し、3Dプリント技術の研究速度や内容のさらなる拡大が期待されることがわかりました。
3D技術が私たちの生活に身近な存在になっていくと、日常がもっと便利になったりわくわくできたりしそうなので楽しみです。
参照
Instalimb|インスタリム
Carbon
株式会社マイクロボード・テクノロジー
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